長年、スリーピングドッグ名義で活動し、3枚の名作を残してきたベルギー在住オランダ人女性シンガー・ソングライター、シャンタル・アクダ。近年、その評価が上昇しつづけている気鋭のドイツ人ピアニスト、ニルス・フラーム、ジャンルをまたぎ活躍するアメリカ人アーティスト、ピーター・ブロデリック、ルー・リードやトム・ウェイツらとの仕事で知られるアメリカ人マルチ・インストゥルメンタリスト、シャザード・イズマイリーとの出会いをきっかけとして2013年に生まれた、シャンタル・アクダ名義によるファースト・アルバム『Let Your Hands Be My Guide』。
スリーピングドッグ・バンドのライヴ・メンバーで、ムームでも活動するアイスランド人チェリスト、ギーザ・ヴァルティスドッティルを加えた5人で作られたこの作品は、自由と強度に満ちた作品を作りたかったシャンタル自身が"真の"ファースト・ソロ・アルバムだと認める、まぎれもない傑作でした。それから2年の時間を経て届けられたセカンド・アルバムは、前作に引き続き、ピーター・ブロデリックとシャザード・イズマイリーが全面的にバックアップ。特にピーター・ブロデリックはヴォーカルやヴァイオリンなどいくつかの楽器に加え、レコーディングとミックスも担当しており、ニルス・フラームに変わって本作ではプロデューサー的な立ち位置となっています。
他にはヘザー・ウッズ・ブロデリック、ヴァルゲイル・シグルズソン、ニールス・ファン・ヒーアタム、エリック・ティーレマンス、デヴィッド・オールレッドが参加した本作は、ぬくもりとやさしさに満ちた前作のフォーク・サウンドを踏襲しながらも、より強度を得たプロダクション面での前進が目覚ましい作品となりました。アコースティックとエレクトロニックのバランスと、穏やかさと高揚感のバランスを保ちながら、そのすばらしいメロディーと、何より彼女の曇りのない透明感のある静かで美しい歌声の魅力はここに来て高い訴求力も獲得していると言っていいでしょう。スリーピングドッグ時代を支えたアダム・ウィルツィー(スターズ・オブ・ザ・リッド/ア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルン)や、ニルス・フラーム、ピーター・ブロデリックなど多くの才能が愛してやまない彼女の歌は、まるでヴァシュティ・バニアンなどのようにひとの心を無防備にさせる天賦のものです。
発売・販売元 提供資料(2015/09/09)
オランダ出身/ベルギー在住のシャンタル・アクダは、聴き手の心を丸裸にするような歌声の持ち主だ。この新作ではピーター・ブロデリックとシャザード・イズマイリーをコラボレーターに招き、ポスト・クラシカルとエレクトロニカの要素をイイ具合に配分したネオ・フォークを披露。淡々としつつも凛としたヴォーカルは、ムームやヴァシュティ・バニアン好きの心を射抜くだろう。秋の夜長にはこういう音がよく似合う。
bounce (C)人與拓馬
タワーレコード(vol.382(2015年8月25日発行号)掲載)