アムランのオーンスタイン再び!今度はピアノ五重奏!
世界最強のスーパー・ヴィルトゥオーゾ、マルク=アンドレ・アムランの新録音は、なんとオーンスタイン!現在は「知られざる難曲」や「超絶技巧作品」の路線から王道レパートリーへと主軸を移し、モーツァルトやハイドン、シューマン、ドビュッシーなどの録音で人気を博しているアムランだが、原点回帰となるような知られざる作品のプロジェクトも継続中。今回取り上げられるのは、アムランにとっては2度目の録音となるレオ・オーンスタイン(1893-2002)の作品。
レオ・オーンスタインは正確な生年は不明とされているが、19世紀末にロシア(現ウクライナ)に生まれピアノの天才児として騒がれ、20代初期にはアメリカでもっとも有名な現代音楽作曲家のひとりとして、また国際的なヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして名声を築いた。1922年にはコンサート・プラットフォームから退き、残りの人生は教職に捧げながらも90歳代後半まで作曲を続け、21世紀初頭まで生きた怪物作曲家。音楽界からはすっかり忘れ去られていたオーンスタインだったが、2002年に発売されたアムランによるピアノ作品集(CDA 67320)によって、再び注目を浴びている。
アムランと共演するパシフィカ弦楽四重奏団は全米室内楽協会クリーヴランド・クァルテット賞やグラミー賞を受賞している、21世紀を代表するアメリカの弦楽四重奏団。2014年6月には来日公演も行われ、その様子は2015年3月のNHKクラシック倶楽部でも放映されている。最先端のモダニズムからは撤退し、より丸みを帯びた作品を書くようになった頃のオーンスタインの2つの室内楽作品を、オーンスタイン録音を代表するピアニスト、マルク=アンドレ・アムランとアメリカの名門クァルテットが聴かせてくれる。
東京エムプラス
発売・販売元 提供資料(2015/06/25)
あまりにも衝撃的な、"知られざるピアノ五重奏曲"。作曲家レオ・オーンスタインはクラスター奏法などを駆使した前衛音楽で知られる『未来派』の作曲家でした。今作に収録されている2曲は、より丸みを帯びた作品を書くようになった頃の傑作。イチオシは、心地よい不協和音と複雑なリズムの超絶難曲《ピアノ五重奏曲》! 現代最高のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、マルク=アンドレ・アムランによる"凄い"演奏。この曲の決定盤! "第3楽章"の狂気にも満ちた迫り来る音、超絶技巧、アムランの打楽器のような打鍵、後期ロマン派を彷彿とさせる魅惑的なメロディ・ライン…ゾクゾクするほどカッコイイ!
intoxicate (C)上村友美絵
タワーレコード(vol.118(2015年10月10日発行号)掲載)