2014年に天才音楽家、チリー・ゴンザレスが発表した、かつてピアノをあきらめたすべての人たちに贈る、ピアノ教本『Re-Introduction Etudes』。"習得しやすく、弾いて楽しい"をテーマに作曲された24のピアノ練習曲を収めたこの教則本の付属CDが、今回CD作品としてリリースされることが決定。
子供の頃にピアノを習い始めたものの、残念ながら途中で断念した人は数多い。ピアノを習得するには、――例えば、音階、運指、拍子のカウント、コード進行の理解等――が山ほどあり、人はそれに圧倒されて怯んでしまうのだ。子供たちにとっても、また興味を持った大人にとっても、その負担は大きい。だが何より問題なのは、ピアノ初心者が習うレパートリーの多くが、陳腐で聞くに堪えないような、弾いていて全く楽しくないものであるということだ。このように退屈で満足感の得られない、呆れるほど旧態依然とした曲で練習するのでは、"ピアノを捨てた"ピアノ奏者が多いのも不思議ではない。
チリー・ゴンザレスはこの『Re-Introduction Etudes』を通じて、ピアノを捨てたアマチュア・ピアニストに弾くことの楽しさを取り戻してくれる。本ピアノ練習曲集に収められているのは、それぞれが、ダフト・パンクやファイスト、ドレイクといった彼がこれまでにコラボレートしてきたアーティストから、エリック・サティ、ニーナ・シモン、チェット・ベイカー、プリンスといった偉大な音楽人、さらにはスティーヴ・ジョブズ、M.C.エッシャー、オバマ大統領らに"捧げる"というコンセプトのもと、ピアノを諦めた人々が音楽の謎を解き明かせるよう特別に作曲された、簡単に習得でき、しかも弾いていて楽しい24曲。 全24曲の楽譜は、付属のダウンロードコードより入手可能(iPadやKindle等に対応)。
発売・販売元 提供資料(2015/06/15)
バイエルもしくはツェルニーから、ゴンザレスへ―。触れるもの皆エンターテイメントへと変えてきた、天才音楽家チリー・ゴンザレス。エレクトロの帝王ボーイズ・ノイズとのコラボユニットOCTAVE MINDSではクラシックとダンスミュージックに調和を齎し、室内楽による歴史的名盤『チェンバース』を経て、改めてピアノへと腰を落ち着けたかに見せかける新作は『ソロピアノ』シリーズを軽々飛び超え、「誰もが楽しく弾ける」という画期的な機能性までも携えた、稀代のエンターテイナーであり現代史上最高の作曲家による初心者向けピアノ練習曲集。
intoxicate (C)高野直生
タワーレコード(vol.117(2015年8月10日発行号)掲載)
もしもピアノが弾けたなら……なんて思っている人に朗報! 〈弾いても聴いても楽しめる〉をテーマに、演奏のコツと楽譜まで付いたゴンザレスの新作だ。音数も少なく技術もさほど必要ないのに、その調べには情緒があって、改めて彼の才能を思い知らされる。また、各曲がニーナ・シモンやプリンスなどに捧げられており、その対象を想像しながら聴くのも一興かと。エリック・サティが好きならマスト!
bounce (C)人與拓馬
タワーレコード(vol.381(2015年7月25日発行号)掲載)