1930年生まれ、超大御所、アーマッド・ジャマルの絶好調のライヴを収めた作品!
2014年8月のフランス、マルシアック・ジャズ・フェスティヴァルでの演奏。この時すでに84歳。しかし心身共に、とても80代の半ばとは見えないものがあります。
"老いてますます盛ん"などというと大変に失礼ながらも、Dreyfusレーベルから、本JazzVillageに移って2011年にレーベル第一弾『ブルー・ムーン』を録音して以来、5,60年代と共に頂点ともいうべき創造性を見せているジャマル。神々しくも洗練、いい意味の力の抜け方によってか、バンドメンバーとのコラボレーションも深まりを見せ、移籍第二弾『サタデイ・モーニング』、ユセフ・ラティーフをゲストに迎えた2012年のオランピア劇場でのライブと、どれも素晴らしいですが、この日のライブは、抜群の冴え方を見せます。
曲は、近年の『ブルー・ムーン』『サタデイ・モーニング』を中心として、ここ最近のジャマルを聴いている方にはおなじみのナンバーを中心として、ジャマルならではのキャッチーなモチーフも満載。しかし耳馴染みのそれらも、この日の演奏にはライブならではの瑞々しさが宿り、幕開けから正に輝くばかりの演奏を見せます。これまたオハコとも言うべきパーカッシヴな演奏も抜群の切れ味を見せ、一方ペダルを効果的に使ったフレージングも流麗そのもの。そのコントラストの妙も見事なら、茶目っけさえも感じさせるユーモアも魅力。不動のメンバー3人も実に楽しそうに演奏していますが、一方ではまるでテレパシーでも使っているような即興演奏の絡みを見せ、達人ぶりを遺憾なく発揮しています。また同2014年6月に亡くなった2歳先輩のMr.ハードバッパー、ホレス・シルヴァーのナンバーM5と、ホレスのエッセンスとジャマルのスタイルを融合したトリビュート・ソングM6<Silver>も、聴きもの!
実際、会場も一曲終わるごとに大喝采が上がりますが、一人一人が繰り出す仕掛けに各人がヴィヴィッドに反応して生みだされるグルーヴには、興奮せずにはいられません!
生涯現役で行く勢いを感じさせてあまりあるライブのうれしい作品化!
CDを集中して聴いて興奮し、DVDで映像を見ながら会場の雰囲気を感じられるというのもうれしいところ。CDとDVDは同じライヴによるものですが、DVDは一曲多いものになっています。
発売・販売元 提供資料(2015/07/14)