英グラスゴーのトリオ・バンド、ザ・フラテリスの通算4枚目のアルバム。本作では2006年のデビュー・アルバム『コステロ・ミュージック』を手掛けたトニー・ホッファーを再びプロデューサーに起用。楽しむためにプレイするというバンドのピュアな喜びに溢れた一枚。 (C)RS
JMD(2015/07/25)
デビュー・アルバム『コステロ・ミュージック』を手掛けたトニー・ホッファーを再びプロデューサーに起用したグラスゴーのトリオ、ザ・フラテリスの4枚目のアルバムが完成!前作『ウィ・ニード・メディスン』から約2年振りとなる『アイズ・ワイド、タン・タイド』は、ベック、M83、デペッシュ・モード、ベル・アンド・セバスチャン、そしてザ・フラテリスの大ヒット作『コステロ・ミュージック』を手掛けたトニー・ホッファー(Tony Hoffer)をプロデューサーに迎え、2014年の終わりにロサンジェルスでレコーディングされた。セカンド&サード・アルバムに続き、バンドは当初、自分達で新作のプロデュースを行おうと考えていた。しかし「僕たちの方向性を示してくれる人が必要だと感じたんだ。誰か僕に対して決定をしてくれるような人が必要だったんだ」とジョン・フラテリが語るように、トニーの舵取りの元でこの4枚目のアルバムは制作されることとなった。結果、『アイズ・ワイド、タン・タイド』は楽しむためにプレイするというバンドのピュアな喜びにあふれる作品となった。まさに、2006年のデビュー・アルバム『コステロ・ミュージック』が持つ楽しみやエネルギッシュなソウルが存在することとなったのだ。
ウルトラ・ヴァイブ
発売・販売元 提供資料(2015/06/12)
活動再開後2枚目となるこの新作は、結成10周年を祝して……というわけでもないだろうが、デビュー作を手掛けたトニー・ホッファーとふたたび組んで作られたものだ。ソウルへの憧憬を滲ませた英国産らしいロックンロールに加え、カントリー風味の曲に挑戦していて、まだまだ伸びしろを感じさせる出来。その引き出しの多さと程良くアーシーな音の鳴りから、『Almost Blue』あたりのエルヴィス・コステロを彷彿とさせたりも。
bounce (C)長崎耕平
タワーレコード(vol.382(2015年8月25日発行号)掲載)
改めて、グラスゴー系アーティストの持つ安定感をしみじみと痛感させられた快作。2006年に発売された 『Cotello Music』がUKチャートTOP100以内に83週もランクインしたTHE FRATELLISの4作目となる本作。アルバムを作る上で「方向性を示してくれる人」を探した結果、1stアルバムと同じ、トニー・ホッファーと再びタッグを組むことに。ソウル、サザンロック、ブルーズ、カントリー等、アメリカからの影響をサウンドの前面には押し出さず、丁度、心地よい按配で昇華されている。やはり、引き出しの多いバンドだと再認識。そして、グラスゴーに駄作なし。
intoxicate (C)大石昌稔
タワーレコード(vol.117(2015年8月10日発行号)掲載)