マーク・マーフィー、ボブ・ドロウ、に通じる男性ヴォーカルの粋!
1950年コネチカット州、ブリッジポート生まれのシンガー、ジャコモ・ゲイツのSavant第3弾。8歳から16歳まではギターを弾き、父親のかけていたビッグ・バンドのレコードでジャズに出会ったというゲイツですが、労働階級のファミリーに生まれたゲイツは若いころは専ら肉体労働や、夜間の仕事に従事していたとのことです。しかし、だから、でしょうか?その歌の世界には深いブルーズの息遣いと、味わいが滲みます。
Savantの第一弾では、ミュージシャンとして、また詩人としてアイコン的存在であるギル・スコット・ヘロン曲集。第二弾では、マイルス・デイヴィス縁の曲を歌ったライブ作品。どちらもバリトン・ヴォイスで渋い世界観あふれる作品となりましたが、この本作こそ、ゲイツの本領発揮の作品ともいえましょう。というのも、ここで歌うのはゲイツ自身が好むオーセンティックなヴォーカリーズを得意とするシンガーたちへのトリビュート作品なのです!
47年バブス・ゴンザレスによって録音されたオープニング・トラックから、甘くシルキー、そしてスウィンギーな歌はあまりに魅力的。ナット・キングコールに捧げたスロウ・バラードも、ジジ・グライスの曲にジョン・ヘンドリックスが詩を付けたM4のような曲でのベティ・カーター、アール・コールマンに捧げたスウィンギーな楽曲も、また一方、クインシー・ジョーンズのアレンジでオスカー・ブラウン・Jr.が歌ったようなソフィスティケイトされたソウルなナンバーも、どんな曲も正に古き良きジャズの薫りが漂います。
一方、ジャズの伝統に根ざす曲の中で、エルヴィス・コステロを、いい塩梅のムーディに歌うのも雰囲気抜群。言わずと知れた<テイク・ファイブ>と渋いコントラストをみせてくれます。
以前より、ゲイツのバックをつとめるジョン・ディ・マルティーノのピアノ、グラント・スチュワートの渋いサックスも名わき役をつとめています。
マーク・マーフィー、ボブ・ドロウ、カート・エリングらの世界に通じる男性ヴォーカルの粋と味わい。ラストをヴォーカリーズ満載のモンクの曲で占める所もカッコよすぎです!
発売・販売元 提供資料(2023/06/21)