キーボードプレイヤー&アレンジャー、佐藤博。復刻が熱望されていたアルファ・レコード在籍時のオリジナル・アルバムが遂に再発!
"コスモ・エイジには耳で呼吸(イキ)する科学(ヤツ)もいる"(当時の帯キャッチコピーより)"未来のスペース・コロニーなんかで聴いても十分に納得できるような普遍的なポップスをつくりたい。" (佐藤博 当時のコメントより)
ボーナストラックは今回初CD化音源となる「Mystery Zone」「Angeline-Extended Power Club Mix」「Angeline-Special Disco Mix-」の3曲を収録!!86年7月リリースの通算6枚目のオリジナル・ソロアルバム。(1986)
ブッ翔んだキャッチコピーからも分かる通り、"科学の音"と名付ける打ち込み中心の作風ながら、プログラミング特有の無機質さはなく、ヒューマニズム溢れるサウンドを提示。しかもその音のひとつひとつから佐藤博の優しさや瑞々しさを感じることができる。ボーナストラックは今回初CD化音源となる「Mystery Zone」「Angeline-Extended Power Club Mix」「Angeline-Special Disco Mix-」の3曲を収録。M4「Borderland」の日本語ヴァージョンである「Mystery Zone」は、一足早く杏里のアルバム『MYSTIQUE』に提供され、その後シングル「宇宙のエトランゼ」のカップリングとしてリリースされた。聴き比べが楽しめる。今作の翌87年にリリースされた、角松敏生がリミックス・プロデュースをした12インチシングル「Sweet Inspiration-Extended Power Club Mix-」のカップリング曲「Angeline-Extended Power Club Mix」とそのプロモーション用の為のみに作られた、曲を短くした「Angeline-Special Disco Mix-」も豪華収録。リリースから約30年経っても全く色褪せず、新たな発見をさせてくれる佐藤博サウンドワールドを体験してほしい。
●2015年最新リマスタリング&紙ジャケット仕様&Blu-spec CD2で再発!当時のブックレットをミニチュアサイズで可能な限り忠実に再現封入。新たにライナーノーツを封入。
●解説:金澤寿和(LightMellow)、えこりん まつい
発売・販売元 提供資料(2015/05/25)
アルバム自体の印象としては、全体的にジャケット写真のような薄紫色の淡いトーンに包まれていて、タイトルにあるような実験的なニュアンスも感じてしまう。次作以降、ポップで親しみやすいサウンドへと傾斜していく過渡期的なアルバム、といったところだろうか。本作でのビートルズ・カヴァーはド直球の「抱きしめたい」が取り上げられている。
ひとつだけ、個人的にお気に入りの楽曲について触れておきたい。それは、アルバムのラストを飾る「宇宙のエトランゼ」だ。本アルバムで唯一の日本語タイトルの楽曲で、スマートなアルバムの"締め"に相応しい、緩やかにして壮大なスケール感を持つパノラマ・バラードだ。時刻は、”深夜 -midnight-”というよりも日が暮れて一番星が瞬きだす”宵 -evening-”といった感じがする。仕事帰りに通勤車中でこの曲を聴いていると、疲れた心と身体が自然に癒される。そのまま宇宙の彼方へと旅立てそうだ。
不謹慎だが、この曲だけを切り取って、安部恭弘の「CLOSE YOUR EYES」や大貫妙子の「あこがれ」、大江千里の「コンチェルト」や杏里の「ALL OF YOU」、風(大久保一久)の「あとがき」やユーミンの「丘の上の光」といった、夜の入り口の時間に聴いていたい楽曲をミックスしたコンピレーションに使っていた。もちろん、ラストを飾るナンバーとして。