1999年5月にシングル「透明少女」、その後にアルバム『School Girl Distortional Addict』で鮮烈にメジャーデビューし、2002年11月に解散するまでのわずか3年半を一気に駆け抜けた日本を代表するオルタナティヴ・ロックバンド、ナンバーガールの伝説のライヴ、PV作品が鮮明に甦る!本作は、デビュー前の福岡での映像から解散ライヴまで、ナンバーガールの足跡を追ったドキュメンタリー映像に全てのVIDEO CLIP他を収録した映像作品。 (C)RS
JMD(2015/05/28)
数年前、偶然にもアヒト・イナザワの運転で帰りを送ってもらうという機会があった。そのとき、彼はカーステにテンプターズのアルバム『5-1=0』をぶち込み(いっしょに歌いながら)、5人のうち1人でも欠けたら0になる、というタイトルへの思いを力説していた。中尾憲太郎28歳の脱退表明からナンバーガール解散という電撃的なニュースを聞いたときも、そのときのアヒトの熱さを思い出すと、納得にも似た気持ちになった。ナンバーガールの過去映像(+全プロモ・クリップ)と、終着点近くとなった2002年11月22日の京大西部講堂ライヴを収録したDVD2枚組の本作。ファンにはむろんラストを目前に迎えたライヴ映像が貴重だろうが、僕の興味は俄然Disc-1にある。95年9月8日の初ライヴ映像とサウンドの荒々しい〈手ぶれ〉感が、メンバーの等身大の振幅はそのままに、より大きな〈時代との共振〉へと変化してゆく様が刻印されている。ざっくりちぎれたような終幕が、やけにロマンチックで、それがまた向井秀徳らしいし、ナンバーガールらしいじゃないか。
bounce (C)松永 良平
タワーレコード(2003年4月号掲載 (P161))