チルアウト、バレアリック発祥の地、スペイン・イビザ島。そのパイオニアであり最も有名なスペース、カフェ・デル・マー(Cafe Del Mar)と共に広く知られ、世界中に大きな影響を与えたレジェンダリーDJがホセ・パディーヤである。
1955年生まれ、70年台中期にはイビザにてウェイターの傍らDJとしてのキャリアもスタートさせた、文字通りのクラブシーン第一世代。特に90年代にリリースされたオムニバス・シリーズ『CAFE DEL MAR』は、ただ曲を選んだだけではなく、まるでオリジナル・アルバムを聴いているかのような統一性と完成度を誇り、コンピレーションの次元を超えたと言われる。内容の評価もさることながらセールスでも結果を残し、クラブミュージックを聴かない層にもアピールできる魅力は現在でも至る所で語られている。
本作は、2001年にリリースされたセカンド・アルバムに次ぐ14年ぶりのフル・アルバムである。プロデューサーとして、レーベル総帥にして2014年に発表されたアルバム『スケッチズ・フロム・アン・アイランド』が大きく評価されたマーク・バロット、アンダーグラウンド・ディスコ・シーンでは知らぬものはいないノルウェーのテレフォンズ、昨今世界的に注目が集まるオーストラリア・メルボルンのクラブミュージック・シーンのキーパーソン、トルネード・ウォレス、先行12inchにリミキサーとして参加したドイツのウォルフ・ミュラーが参加している。
スエノ・ラティーノを現代に蘇らせたようなリード・トラック「Day One」、INTERNATIONAL FEELらしいスパニッシュ・ギターのスローディスコ・チューン「On The Road」、カフェ・クラシコなチルアウト・ヴォーカルもの「Maybe The Sunset」、80'sなアンニュイ・メロウ・ハウス「Lollipop」、桃源郷ニューエイジ・ダンス「Blitz Magic」、アルバムのラストをしめるスペース・トラベル・アンビエント「Remember Me」など彼の音楽キャリアを総括し、さらに現在へと繋がるチルアウト/バレアリック街道を築き上げた名盤の誕生と相成った!
発売・販売元 提供資料(2015/05/19)
インターナショナル・フィール発というのは、意外なようでいて実に真っ当! 〈Cafe Del Mar〉のレジデントを皮切りに〈Bella Musica〉などのコンパイルも仕掛けてきた巨匠が、名作『Navigator』から15年ぶりに放つオリジナル作は、時代に洗われないチルアウトの根源を大らかに伝えてくれる。往時と地続きのリラクシンなダウンテンポが今日的なバレアリックとして響く様は、夕陽が水平線に溶けて混じり合う光景のように眩しい。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.380(2015年6月25日発行号)掲載)