Dommengangの音楽は爆発力と推進力だ。強烈なパワーを放つリズムセクションをフロントマンのSig Wilsonが、推進力に変えて爆進していく。エレクトリック・ブルーズとパンクのエネルギーを融合させるSig Wilson、Brian Markham、Adam Bulgasemのトリオは全米のDIYシーンへと連携しつつ、トラディショナルなロックのフォームをモダンでプログレッシブな演奏力で、次のステージへと展開させていく。このバンドがデビュー作である"エヴリバディズ・ブギー"で、独創的なリフと強力なFUZZサウンドに溢れながらも破綻することなく、新たなロックバンドのサウンド・フォームを創り出すまでに成功を収めているのは、バンドのフロントマンのWilsonがHoly Sons、Castanetsなどのバンド達とコラボレーションやツアーなどで培ってきたバンド・リーダーとしての経験を生かして、そのスキルを思う存分に発揮したことにある。
Dommengangは2014の春にブルックリンで結成された。その都会的な環境のもとで誕生したバンドにもかかわらず、それぞれのメンバーはアラスカからヴァージニア、オレゴンに至る土臭いルーツを持っている。大都市から離れたところでキャリアを積んだことが、その自由闊達な音楽の発展を助けたとも言えるだろう。大都市周辺に根をはった古くなってしまった音楽シーンを、活性化させるのはいつも外からの新しい血なのだ。同時に今作でも聞ける幾つかの歌詞では、自分たちがその巨大なシーンの中に居場所を見つけられずにいることや、たくさんの人が住む大都市NYCの中で生活することに孤独を感じてしまう矛盾を訴えている。バンドとして新しいフォームを作りつつも、そこの疎外感を感じてしまう矛盾はこのバンドを、さらに広く新しいステージへと駆り立てているようでもある。
今作はブルックリンの GREENPOINTで2014年6月にわずか4日間でレコーディングされミックスされた。基本的にはスタジオでライヴ録音され、最小限のオーバーダヴが施されている。
発売・販売元 提供資料(2015/07/15)
ブルックリンのトリオによるファースト・アルバム。ブルース、ヘヴィー・サイケ、プロト・パンクといったものを混ぜ込んだサウンドは、大都会を拠点としているにもかかわらず、ストーナー・ロック風の土臭さ/迫力を感じさせておもしろい(メンバーのルックスも思いっきり70年代風だし!)。でも、アートワークやアルバム全体を通じてのシャキッとしたまとまり感は非常に洗練されていて……何だか不思議な魅力がある。
bounce (C)中上雅夫
タワーレコード(vol.380(2015年6月25日発行号)掲載)