ジャザノヴァの傑作デビュー・アルバム。ベルリン出身のDJとプロデューサーからなる音楽集団として1997年より12インチ・シングルのリリースをスタート。満を持して2002年にリリースされた本作は、その楽曲のセンス、クオリティーの高さでシーンを変えたといっても過言ではない、クラブ・ジャズ、クロスオーヴァー・サウンドの金字塔的アルバム。 (C)RS
JMD(2015/04/28)
遅すぎるよ、とゴネたいところだが、このアルバムを聴いたなら親指を突き出してそう言おうではないか……ジャザノヴァの初オリジナル・フル・アルバムは、プロジェクトとしては寡作な6人が個々の活動を整理させて集結し、2年がかりで漕ぎ着けた〈中間〉点だ。ここには、アルバム収録されないという冗句をもって先行シングル・リリースされた“That Night”はおろか、彼らの名を知らしめた2枚の12インチからの楽曲も入っていない。その代わりに、ジャズ/R&B/ブラジル/エレクトロなどといったDJ陣の豊富な音楽ストックと、プログラマーの革新性がジョイントし、目まぐるしくさまざまなエレメンツがプログラムされてゆく。独創的な“L.O.V.E. And You & I”“The One-Tet”をはじめ、彼らの従来の仕事から連想すると心地良い裏切りを受ける楽曲揃い。どこにも属さないフュ?チャ?・クラシックスの誕生だ。
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タワーレコード(2002年05月号掲載 (P81))