18世紀後半から、19世紀にイギリス中流階級の家庭で大流行していたスクエア・ピアノで家庭内の音楽界を再現! (C)RS
JMD(2015/04/25)
バロック時代の花型鍵盤楽器チェンバロから新種の鍵盤楽器フォルテピアノへと、作曲家や音楽愛好家の興味が移っていった18世紀後半から19世紀。しかしこれらの高価な楽器は一般市民の手には届かず、特にイギリスの中産階級の家庭ではリーズナブルな価格とコンパクトな形の「スクエア・ピアノ」が大流行していた。コンサート会場ではなくプライヴェートな空間のために生まれたスクエア・ピアノの音色には、家族や仲間とのひとときに最適な魅力がある。同じく家庭楽器としても親しまれていたヴァイオリンと、家庭音楽での何よりの主役となった歌を交えて現代に蘇った「イギリスの家庭音楽の愉しみ」。世の中の音楽演奏の大部分を担っていた音色と空気が、このアルバムには収められている。
<小倉貴久子(スクエア・ピアノ)>
東京藝術大学を経て同大学大学院ピアノ科修了。アムステルダム音楽院を特別栄誉賞を得て首席卒業。第3回日本モーツァルト音楽コンクール、ピアノ部門第1位。1993年ブルージュ国際古楽コンクール、アンサンブル部門第1位。 1995年同コンクール、フォルテピアノ部門第1位と聴衆賞受賞。様々なコンサートシリーズを展開する一方、ソロ、室内楽、協奏曲なドバロックから近現代まで幅広いレパートリーで活躍。浜松市楽器博物館主催の多くのコレクションシリーズの録音やレクチャーコンサートでの演奏も高い評価を得ている。これまでにCDを40点以上リリース。それらの多くが各新聞紙上で推薦盤、「レコード芸術」誌てで特選盤に選ばれている。CD《イギリス・ソナタ》は平成24年度文化庁芸術祭レコード部門〈大賞〉受賞。著書にカラー図解『ピアノの歴史(CD付き)』(河出書房新社)。校訂楽譜『ジュスティーニ:12のソナタ集 第1、2巻』(カワイ出版)。共著に『よくわかるピアニスト呼吸法』(ヤマハミュージックメディア)。監修に『よくわかる!4コマピアノ音楽史第1、2巻』(ヤマハミュージックメディア)。NHKラジオ第2《芸術その魅力》(2014年7月~9月放送)で〈モーツァルトが出会った音楽家たち〉の講師を務める。シリーズコンサート『小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》』を好評展開中。東京藝術大学古楽科非常勤講師。
コジマ録音
発売・販売元 提供資料(2015/03/25)
<桐山建志(ヴァイオリン)>
3歳より才能教育でヴァイオリンを始める。東京藝術大学を経て同大大学院修了、フランクフルト音楽大学卒業。1998年第12回古楽コンクール「山梨」第1位。1999 年ブルージュ国際古楽コンクールソロ部門第1位。レコード芸術特選盤「シャコンヌ」を皮切りに、多数のCDをリリース。2009年、ベーレンライター社より星野宏美氏との共同校訂による「メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタ全集」の楽譜を出版。現在、愛知県立芸術大学准教授、フェリス女学院大学講師。「松本バッハ祝祭アンサンブル」コンサートマスター、「エルデーディ弦楽四重奏団」ヴィオラ奏者。チェンバロの大塚直哉と共にデュオ・ユニット「大江戸バロック」を主宰。2013年リリースのCD「コレッリ:ヴァイオリン・ソナタ全曲」について『風格のあるメロディをおおらかに息ながく弓いっぱいに歌わせてゆく』『凜とした格調たかいその姿勢』と評され、レコード芸術特選他好評を得る。また同年秋には、ヒンデミット没後50年を記念した公演を企画、作品11を中心とした弦楽作品を一夜でヴァイオリンとヴィオラ、ヴィオラ・ダモーレを持ち替えて弾き切り、絶賛された。
<野々下由香里(ソプラノ)>
東京藝術大学声楽科首席卒業、同大学院修了。関西フランス音楽コンクール、第4回日仏声楽コンクールともに第1位。パリ・エコール・ノルマル音楽院留学中、'89年「フィガロの結婚」のケルビーノ役(レンヌ歌劇場)でヨーロッパオペラデビュー。帰国後は中世から現代まで幅広いレパートリーで活躍。「北とぴあ国際音楽祭」ではパーセル、ラモー、ハイドン、モンテヴェルディ、グルック等のオペラに出演し多くの聴衆を魅了した。BCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)のソプラノソリストとして国内の公演や録音に参加。ヨーロッパやイスラエル、オーストラリア、アメリカ、韓国公演でもソリストを務めた。現代作品では権代敦彦、笠松泰洋、藤枝守らの作品を世界初演。録音はBCJとのCDをはじめ、「フォーレ《小ミサ》(ジャン・フルネ指揮、日本フォーレ協会編)」「愛の小径」「月の光~エラールピアノとフランスのうた~(浜松市楽器博物館コレクションシシリーズ29,レコード芸術誌特選盤)」など多数。日仏声楽コンクール審査員。東京藝術大学古楽科教授。お茶ノ水女子大学非常勤講師。
コジマ録音
発売・販売元 提供資料(2015/03/25)
ハイドン、クレメンティ、クリスチャン・バッハ、モーツァルトのイギリスに縁の可愛い曲を集めたスクエアピアノの音を聴くアルバム。
日本の古楽の第一人者、スクエアピアノの小倉さん、バロックヴァイオリンの桐山さん、ソプラノの野々下さんによる 肩の凝らない 温かな音楽。
とは言いつつ、演奏のレベルは しっかりヴァリアントを加えての 立派な演奏が聴けます。
浜松楽器博物館らしい、テーマに沿った しっかりとしたプログラミングがなされています。
ジャケットの充実さは 言わずもがな。スクエアピアノのカラー写真が様々な角度で載せられています。
ハイドンの歌曲など、18世紀の サロン音楽に興味のある方ならば 喜ばれるアルバム、間違いなしです!