1976年の結成から約40年を経ても尚、歩みを止めない不滅のポスト・パンク・レジェンド、ワイヤーの通算13作目となるアルバム。1960年代的な色合いのうっとりするようなメロディと、モータリックな勢いのあるリズムに満ち溢れた、ポップかつ先鋭的な作品。 (C)RS
JMD(2015/04/28)
最初のパンク・ムーヴメントが巻き起こった1976年の結成当初から、ワイアーは同世代の仲間や影響源からは距離を置き、破壊的で概念的な手法で音楽を制作することに従事してきた。探求し続けるアプローチは、ロバート・グレイがドラムキットをバス・ドラムとスネア、ハイハットだけにそぎ落とした80年代から、ワイアーの曲作りやステージ上での表現、さらには決定にも浸透してきた。それが、彼らを同じことの繰り返しやクリシェからうまく身を守る役に立っているのだ。その文脈で、彼らの前作、ふさわしいタイトルを持った『チェンジ・ビカムズ・アス』は、「予期せぬものを予期する」ひとつのケースだった。彼らは同作で、80年代初頭の一時的な解散の中で捨て去られた豊富なマテリアルのストックを大規模に再生している。シンプルに『ワイアー』と名付けられた彼らの13 枚目のスタジオ・アルバムは、アルバムを念頭に作曲されたマテリアルで構成されている。楽曲はコリン・ニューマンがレコーディングの直前にメンバーにスタジオで紹介した。それは、可能な限り最も自然な反応をミュージシャンから引き出すためのアイデアだった。しかし、そうした手法から予想される大雑把な仕上がりからはほど遠く、『ワイアー』には60年代的な色合いのうっとりするようなメロディと、圧倒的な、ほとんどモータリックな勢いのあるリズムに満ちあふれている。ワイアー特有のヴォキャブラリーから生まれたメロディの抑揚やギターとベースのモチーフ、ドラムのリズムが認識できるが、驚くべき新鮮さを有している。
発売・販売元 提供資料(2015/04/13)
パンク時代の最中に活動を開始しながら、その立ち位置は最初からポスト・パンク的であったワイアー。過去の曲のマテリアルを再解釈した前作から2年ぶりとなる今作は、コリン・ニューマンが持ち込んだ曲をバンドで形にするという手法で作られ、全体の構成はシンプルなものとなった。抑揚のあるメロディー、機械的とも言えるほど淡々としたリズム--セルフ・タイトルを冠したのも納得の、持ち味が十二分に発揮された一枚。
bounce (C)吾郎メモ
タワーレコード(vol.379(2015年5月25日発行号)掲載)