1956年の夏、ビッグ・バンドを率いたディジー・ガレスピーは、国務省の要請で、音楽大使として南米をツアーしました。その少し前、ビッグ・バンドにはトランペッター/アレンジャーとしてクインシー・ジョーンズが参加し、続々と素晴らしい曲あるいは編曲をバンドに提供するようになっていましたし、メルバ・リストン、フランク・リハク、フィル・ウッズ、ビリー・ミッチェル、ベニー・ゴルソン、ウォルター・デイヴィス,Jr.、チャーリー・パーシップなど素晴らしいメンバーがずらりと並んでいます。
この南米ツアーでのパフォーマンスは、Consolidated Aritists ProductionsというレーベルからVol.1,2,3と分かれた3枚のCDとしてリリースされていましたが、今回は、それら3枚に含まれていたメンバーたちへのインタヴュー録音を除いて、演奏だけを全曲収めた2枚組CDが登場しました。
ディズのビッグ・バンドによる演奏は全部で22曲。クインシーの名曲<Jessica's Day> をはじめ、<Manteca>、<Doodlin'>、<A Night In Tunisia> といったナンバーではこのバンドならではのエクサイティングな演奏を満喫できますし、<Begin The Beguine>のような珍しい曲も収録されています。CD2の9曲目以降は、そのツアー中にディズがビッグ・バンドを離れて行ったパフォーマンスの記録で、最初の2曲は、リオ・デジャネイロのホテル・グロリアでサンバ・バンドとジャムったときの録音。<Cepao' s Samba> の“Cepao"とは、ブラジルのローカルテレビ局でアレンジャーをつとめていた男の名だそうで、<Gloria's Samba>の“Gloria"はホテルの名前です。そして残る4曲は、ブエノス・アイレスのRendez Vous Clubでオズヴァルド・フレセド率いるオーケストラと共演してタンゴに挑んだ演奏! 何とも貴重な記録です。
発売・販売元 提供資料(2015/04/14)