2012年にワーナー・ブラザーズからアルバム『CARRY THE FIRE』でデビューした、ノースカロライナ州ダーラム出身の6人組、DELTA RAE(デルタ・レイ)。3人兄妹を含むこのグループ最大の特徴ともいえるのが、男女混成の4パート・コーラスと、フォークやロック、ブルースなどの要素を融合させたアメリカーナ・ロックとも呼べるサウンド。
デビュー・アルバムをリリースして以来、アメリカ各地をツアーしてきた彼ら。さまざまな土地旅している中で、本作『AFTER IT ALL』のテーマとなるものが徐々に固まっていったそう。そのテーマとは、これから何が起きるか分からないことへの不安を抱えているといった意味での、アメリカの開拓者たちの伝承とロマンス。「映画的で、ロマンティック、そしてアメリカンなアルバムを作ることが目標だった」とメンバーのエリック・ホレスが語るように、本作は“近年の大不況で苦境に陥った若き恋人達の物語”というコンセプト・アルバムを作ることから始まった作品であった。しかし、制作している内に彼らは、まるで自分たちが経験したことであるかのように、各楽曲を演奏し、歌わなければならないことにはっきりと気づかされたという。三兄妹の一人、ブリタニー・ホレスはそれについてこう語る:「私たちは曲作りをしている間、何回も自問自答し続けた。ここにある曲は自分たち自身の物語にとってもまた、なくてはならないものだった。つまり、私たちが作り出したキャラクターに投影するのではなく、自分自身が実際に感じていることを率直に表している必要があったの」
一年半掛って完成した14曲入りの本作『AFTER IT ALL』の制作過程もまた、一つの旅のようだった。最初は2013年末に、ロサンゼルスでロブ・カヴァロ(グリーン・デイ、フリートウッド・マック等)とともにスタジオに入り、2014年の春にはノースカロライナ州のローリーで、さらにその年の秋にはコネチカット州のブリッジポートでピーター・ケイティス(インターポール、ザ・ナショナル等)とレコーディングを行ってきた。仕上がったアルバムには、かつてビルボードが絶賛したデビュー作の“ブルージーなソフト・ロック”な部分も残しつつ、より壮大でドラマティック、そしてロマンティックなサウンドへと大きく進化した彼らの姿が見えてくる。
「このアルバムで私達全員大きく成長した」とブリタニーは語り、またこう続ける「どこを切っても私たち全員の心を感じることが出来るはず。このアルバムが描こうとしている大きな絵を形作る大事なパズルのピースを感じることが出来るのよ」
時にはダーク・ファンタジーを思わせるようなドラマチックさで、時にはフリートウッド・マックを彷彿させるような男女のヴォーカルとコーラス・ワークで、また時にはブルースやゴスペルなど、魂を揺さぶるようなアメリカ音楽の伝統が息づくサウンドで、デルタ・レイは、ロマンティックなアメリカの叙事詩を作り上げている。
発売・販売元 提供資料(2015/03/30)