アルペジョーネソナタ

ヨーロッパ・日本を中心に活躍するギタリスト・西垣正信の新作「アルペジョーネソナタ」
言わずと知れたシューベルトの名作と、パガニーニの「グランソナタ」をそれぞれギターソロ版として編曲・収録しているこのCDは、演奏や編曲のみならず、自身で計算された音律によって打ち付けられたフレットをもつ19世紀の楽器の使用や、バイノーラルマイクによる独自の録音法、またマスタリングまでもが録音技師としての側面も持つ西垣氏の手によって行われている。一人のアーティストがここまで細部にだわった作品が他にあるだろうか?歴史的作品にあらたなる息吹を吹き込んだ名盤。(2014年には表題作「アルペジョーネソナタ」の編曲譜が現代ギター社より発売されている)

＜西垣正信 Masanobu Nisigaki(ギター、リュート、作曲)プロフィール＞
ギターをアンリ・ドリニーに師事。禅を故盛永宗興老師に師事。1971年フランス国立ニース音楽院を一位で卒業。1972年フランス・ニース市オペラ座でのリサイタル、オペラ座管弦楽団との「アランフェス協奏曲」の演奏によりニース市音楽大賞を与えられる。現代音楽の演奏家としても福士則夫、武満徹、松本日之春などの初演を多く務めた。1988年よりスペイン国主催マリアカナルス・音楽コンクールの審査員を務める。同時にフルートのマクサンス・ラリューなどと多くの室内楽演奏を行う。2005年イギリス国立古楽センターとヨークカレッジの委嘱により、新古今和歌集によるモノドラマの作曲と演奏を委嘱され、同年イギリス国立古楽センターで初演。これをきっかけに独奏と作曲の活動を再開。以降に録音出版されたCDは「バッハリュート組曲全曲」「バロック愛奏曲集」「サンジャック教会コンサート(実況録音)」「アルペジョーネ・ソナタ」などがある。2014年にはチリなど南米で2015年にはフランスで「ニシガキへのオマージュ」のコンサートシリーズが行われた。書籍としては、「冬の旅」「アルペジョーネ・ソナタ ギター独奏版」「ゴールドベルグ変奏曲」(以上現代ギター社刊)、「小組曲」ディヴィド(ワトキンスとの共著 ロンドン ユナイテッド社刊)。後進の指導としては高松短期大学音楽科で多くの演奏家を輩出し、毎年フランス・ニースで夏期講座を開き指導している。