貧しい村に育ち、姉パミラの縁でブービー卿の館に奉公にでることになった幼いジョゼフ(ピーター・フォース)。天与の才に恵まれたジョセフにはさまざまな特技があった。悪さをする鳥を追い払うおうと声を発すれば、その美声に鳥は逃げるどころか彼のそばに寄ってくる。犬を追い払おうと叱っても、尾っぽをふってすり寄ってくる。どんな暴れ馬も少年ジョゼフには嬉々として従う。
やがてジョゼフは美しい少年へと成長する。ブービー夫人(アン=マーグレット)は、彼を厩の仕事から自分につかえる下僕に引き上げ、茶の給仕から教会への礼拝にまで常にジョゼフを供させた。その頃、ブービー卿夫妻の生活は絶頂を極め、夫人の生活も贅のかぎり。あるとき古代ローマ風呂で入浴中の夫が突然他界すると、待ってましたとばかりに彼女は、自らの豊満な肉体を武器にジョゼフへの誘惑を開始する。さらには年増の小間使いスリップスロップ(ベリル・リード)までもが、その寝物語に......。一方、ジョゼフには奉公に出た頃から、同じく館に奉公に出ていた孤児の少女ファニー(ナタリー・オーグル)と秘かな愛を交わしていた。ジョゼフはファニーとの誓いをかたくなに守り、ふたりの熟女の誘惑をはねつけていた。なんど誘惑の手を伸ばしても落ちないジョゼフに業を煮やしたブービー夫人は、スリップスロットの諌言もあってついにジョゼフを館から追放してしまう......。
途方にくれるジョゼフ。しかし捨てる神あれば、拾う神あり。少年時代から天与の才を見ていたアダムズ牧師(マイケル・ホーダン)は、彼をお供に自らの教区へもどる道すがらジョゼフの追放を知って、村を出たファニーを暴漢の手から救うことに。道中は気のいい牧師のせいで、トラブルの連続。はては山賊や悪党貴族たちからの襲撃、拉致、ファニーの誘拐、拷問の大苦難に遭遇しながらも行商人の若者や、一行の底抜けの明るさで危機を乗りこえ、ふたたびなつかしの館へ帰還。さて、その後の英国流・貴種流離・艶笑潭の行方は......。