14年間待ち続けました!ディアンジェロ、待望の3作目が遂に到着!!ネオ・ソウル~ジャズ~ファンク~スライからプリンスまで様々に内包しつつ、ディアンジェロにしか鳴らせない黒く煙るサウンドは聴けば聴くほど深みにハマる!相次いだ警察官の市民殺害事件に触発され、「音楽を通じて主張したい」と急遽発表したという意欲作。
オススメ曲 ⇒(4)(5)(8)(10)(12)
タワーレコード(2014/12/15)
海外メディアを通じて急激に広まっていたディアンジェロのアルバム緊急発売の噂が、遂に現実のものとなった。2000年に発売され、日本を含む全世界で高い評価と人気を得た名作『Voodoo』以来実に14年振りとなる新作のタイトルは"Black Messiah/ブラック・メサイア"!! 12曲が収録されている本アルバムにはQティップ(ア・トライブ・コールド・クエストのフロントマン)、ケンドラ・フォスター(ファンカデリックのヴォーカリスト)が歌詞を手掛ける曲が収録されており、その他にもクエストラヴ(The Rootsのドラマ―、DJとして知られ、エルヴィス・コステロ、ディアンジェロ、エリカ・バドゥ、ジェイ.Z、アル・グリーン他著名作品にてプロデューサーとしても活躍)、ピノ・パラディーノ(ザ・フーの再結成の際、ジョン・エントウィッスル没後最初にバンドに招かれたべーシストとして知られ、ジョン・メイヤー・トリオのべーシストも務める) 、ジェームス・ガッドソン(ビル・ウィザ―ス、クインシ―・ジョーンズ、ハービー・ハンコック他数々の著名アーティストの作品に参加する伝説的ドラマ―)等超豪華ミュージシャンが参加している。なお、ディアンジェロはこれら参加するアーティストに敬意を表し、総称して"The Vanguards/ザ・ヴァンガ―ズ"と呼ぶこととし、今回のプロジェクト名に加えたという。また、今回のアルバムはそのレコーディングからミキシングに至るまで、ヴィンテージ機材を駆使し、全て完全なるアナログ手法で制作されたという肝の入れようだ。ファンにとっては14年間待った甲斐のある作品であることは間違いなさそうだ。
発売・販売元 提供資料(2014/12/15)
〈ほぼ完成〉との報にも疑心が晴れぬまま、突然の発表で衝撃を与えた約15年ぶりの3作目。一聴して前作『Voodoo』を踏襲した感の強い内容は壮絶なまでに黒くスモーキーでありながらも明快で、スライ、ファンカデリック、ジミヘン、電化期のマイルス・デイヴィス、プリンスといった革新的な先達の姿が随所で思い浮かぶ。近年のライヴやリーク音源としてお馴染みの曲も含め、Q・ティップやケンドラ・フォスターとペンを交え、名義を共有したヴァンガードとの共同作業で丁寧に煮詰められた楽曲群は黒豆の如き艶を放ち、硬派なメッセージと破壊的なエッジを携えながらスピリチュアルで甘美な一面も見せる。ため息が出るほどの完成度だが、音楽的な革命というよりは、〈出た〉こと自体が何かを変えていきそうな怪作だ。
bounce (C)林剛
タワーレコード(vol.375(2015年1月25日発行号)掲載)