ザ・シャーラタンズの通算12枚目となるアルバム。2013年に他界したドラマー、ジョン・ブルックスの死を乗り越えて制作された本作は、ジョンに代わり、ザ・ヴァーヴのピーター・サリスベリー、ニュー・オーダーのスティーヴン・モリスらがドラムをプレイ。シャーラタンズとバンドの長年のエンジニア、ジム・スペンサーが共同プロデュース。「Talking In Tones」他を収録。 (C)RS
JMD(2015/02/06)
2013年、バンドのドラマー、ジョン・ブルックスは脳腫瘍の為に他界した。そうした苦難を乗り越えて完成したのが『モダン・ネイチャー』だ。「ジョンは、新しいシャーラタンズのアルバムを作るべきだ、と断固として譲らなかったんだ。そんな彼の意志を常に頭の中に置いておかなくてはいけない」とトニー・ロジャースは語っている。
2014年1月、バンドはチェシャーにある自身のスタジオ、ビッグ・マッシュルームに入った。「夏に曲を書いている時は本当につらかったんだ。フリーズして全く前進しなかった。だから自分たちをハッピーにしてくれるような曲を書くようにしたんだ」とティム・バージェスは語る。
こうして完成したのが全11曲を収録した12枚目のアルバム『モダン・ネイチャー』だ。アルバムには2014年の秋に限定リリースされた「トーキング・イン・トーンズ」他が収録され、シャーラタンズとバンドの長年のエンジニア、ジム・スペンサーの共同プロデュース。ミックスはアーケイド・ファイアやポーティスヘッドを手掛けたクレイグ・シルヴェイがおこなった。
またジョン・ブルックスに代わり、ザ・ヴァーヴのピーター・サリスベリー、ニュー・オーダーのスティーヴン・モリス、ファクトリー・フロアのゲイブ・ガーンジーがドラムをプレイ。ケイト・ブッシュのバッキング・シンガーであるメラニー・マーシャルとサンドラ・マーヴィンも参加している。ストリングスはステレオラブ、ハイ・ラマズのショーン・オヘイガンが手掛け、ブラスはデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズのジム・パターソンがおこなった。彼らのキャリアの中で最も素晴らしいアルバムだ、と既にQ誌はアルバムを評している。
発売・販売元 提供資料(2014/12/16)
マッドチェスターの生き残りとして地道な活動を続けてきたシャーラタンズ。ドラマーの死を乗り越えて完成させたこの新作は、故人の意思も受け継ぎ、さらにニュー・オーダーやヴァーヴのメンバーからのサポートも得て、バンド史上もっともドラマティックな楽曲集となった。グルーヴィーなオルガンやゴスペル聖歌隊によるコーラス、メロディアスなギターからは、何があっても前進しようという彼らの決意が感じられる。
bounce (C)柴田かずえ
タワーレコード(vol.376(2015年2月25日発行号)掲載)