1960年パリ生まれ、NYを拠点に活動し、30年近くに渡って第一線で活躍するジャン・ミシェル・ピルクの最新作品。Challenge, Dreyfuls, Motemaと、各時代の際立つ才能をプロデュースするレーベルを渡り歩いてきたことも実力の証明ですが、Sunnyside からの第一弾となる本作も、ピアニストとしての才能を遺憾なく発揮した作品になりました。
本作は『Follow Me』(Dreyfus=2004 年)、『Essential』(Motema=2011年)に続くピアノ・ソロ作。熱心なファンの方からは、“ピルクはソロこそが素晴らしい”ということがよく語られますが、本作を聴いて驚くのは、ピアニストとしてのテクニックはもちろんのこと、豊かなアイディアやイマジネーション、そして曲を描き上げるセンスでしょう。
タイトルも暗示するように、コール・ポーターの有名曲“What is this called Love”を核にした作品。31トラックの中には様々なリズムやハーモニーのヴァリエーションでアレンジしたそのモチーフが登場する他、コード進行を下敷きにした即興旋律や、中には口笛とピアノで奏でることで<Duet>と名付けられたユニークなトラックあり。
しかし、そうした着想のみならず、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスらのクラシック曲のテーマを流用したり、ユーモレスクのテーマを一瞬織り込んだり、ジャズ・スタンダードの一端を挿入したり、と、演奏は完全即興であって自由自在。
特に、<What is this called Love>とモーツアルトの<トルコ行進曲><枯葉>が連なるM16のような演奏は、聴きもの!このトラックは、フランスが生んだ偉大なる大先輩マーシャル・ソラルに捧げたトラック。また、M17 は言うまでもなく、デューク・エリントンに捧げた演奏で、優雅な和声と、A列車のメロディを織り込んだユニークな演奏が魅力です。
同じくNYにおいて、YAMAHAアーティストとして活躍する後輩であり、ピルクを尊敬するピアニスト、ダン・テプファーの導きもあり、レコーディングには最上のピアノCFXも用意され、申し分ない環境にも恵まれて録音されたアルバム!改めて才能を確認する充実の逸品。注目です。
発売・販売元 提供資料(2014/12/15)