時代とともに叙情性や劇場性、プログレッシヴ性やポップス性を打ち出し、その稀有な個性的スタイルで音楽シーンの頂点に昇り詰める五大プログレッシヴ・ロック・バンドの一角、ジェネシス。1970年から1997年の間に彼らが発表してきた名作揃いのスタジオ・アルバム14作品が、180グラム重量盤アナログとなって登場! こちらはライヴ・アルバムのリリースを挟み、高度なテクニックと緻密に練り上げられたサウンドがすさまじいばかりの緊張感とともに展開していく、全英チャート3位を記録する名作『SELLING ENGLAND BY THE POUND(邦題: 月影の騎士)』!
1967年に英国で産声を上げ、70年代には叙情的でありながらシアトリカルなプログレッシヴ・ロック・バンドとして非常に高い人気を誇り、その後80年代にはポップスの要素を大きく打ち出しながら世界的な人気を誇るバンドとして音楽シーンの頂点へと昇り詰めていった、英国ロック・バンドの代表格であり、五大プログレッシヴ・ロック・バンドの一つとしても賞賛を受ける存在、それがこのジェネシスだ。
英国プログレッシヴ・ロック黄金期の一翼を担うバンドとしてプログ・ロック・ファンから非常に大きな評価を受け、その後ポップな音楽性を羽ばたかせ、チャートの上位に楽曲を送り込みながら幅広い音楽ファンの心をつかんでいった彼らは、非常に個性的な軌跡を歩んできた稀有の存在だといえるだろう。初代ヴォーカリストであり最高のカリスマ、ピーター・ガブリエル在籍期となる初期ジェネシス、ピーター・ガブリエル脱退後にフィル・コリンズがヴォーカルを兼任する形で活動をつづけた中期ジェネシス、そして70年代後半に3人態勢となり、よりポップスの要素を持ち込みながらチャートをにぎやかす世界的ロック・バンドとなった後期ジェネシス…、ラインナップの変更とともにその音楽性も変化させながら常に第一線を走り続けた彼らは、キャリアを通して15枚のスタジオ・アルバムや6枚のライヴ・アルバム、数多くのコンピレーション・アルバムなどをリリースし、実に1億枚以上の世界累計アルバム・セールスを記録、2010年にはロックの殿堂入りも果たす、まさにレジェンドの名にふさわしい存在だ。
2024年はじめ、彼らのスタジオ・アルバム14作品が新装ソフトパック仕様のCDとなって一挙リリースされたのだが、今回、新装版CDと同じラインナップとなる、音楽史に深くその名を刻み込むジェネシスが1970年から1997年の間に発表してきた14枚のスタジオ・アルバムが、それぞれ180グラム重量盤アナログとなって登場することとなった。また、今回のアナログ盤にはニック・デイヴィスによる2007年リマスター音源が採用されている。
発売・販売元 提供資料(2024/07/19)
★★★『SELLING ENGLAND BY THE POUND(邦題:月影の騎士)』(1973年作品)★★★
前作発表後、バンドにとって初のライヴ・アルバムとなる『GENESIS LIVE』(1973年)のリリースを挟んで1973年にリリースされた通算5作目となるスタジオ・アルバムが、この『SELLING ENGLAND BY THE POUND』だ(ちなみにこのアルバム・タイトルは、当時の労働党のスローガンから取られたものだという)。高度なテクニックと緻密に練り上げられたサウンドで叙情的かつミステリアスな世界観を表現している今作には、緊張感に満ちたインストゥルメンタル・パートと演劇的な表現力で歌うピーター・ガブリエルの存在感とが折り重なり、洗練された美しくもスリリングな楽曲がたっぷりと収録されている。また、「More Fool Me」ではドラムのフィル・コリンズが初めてリード・ヴォーカルを担当している。ジョン・バーンズとジェネシスがプロデュースを担当した今作は、全英チャート3位を記録したほか、全米チャートにも70位を記録した。
<メンバー>
ピーター・ガブリエル(vo)
スティーヴ・ハケット(g)
トニー・バンクス(key)
マイク・ラザフォード(b)
フィル・コリンズ(dr)
発売・販売元 提供資料(2024/07/19)
Q (12/94, p.162) - 4 Stars - Excellent - "...deeper than anything they'd previously tried...`Dancing With The Moonlit Knight' and `The Cinema Show' (an ambitious attempt to evoke the mood of T.S. Eliot's `Waste Land' in the pop vernacular) are genuinely moving..."
Mojo (Publisher) (3/01, p.82) - "...Featuring some of the band's most bizarre lyrics to date 'I Know What I Like; nevertheless showed that [they] might yet find a home in the singles charts..."
Rovi
Genesis proved that they could rock on Foxtrot but on its follow-up Selling England by the Pound they didn't follow this route, they returned to the English eccentricity of their first records, which wasn't so much a retreat as a consolidation of powers. For even if this eight-track album has no one song that hits as hard as "Watcher of the Skies," Genesis hasn't sacrificed the newfound immediacy of Foxtrot: they've married it to their eccentricity, finding ways to infuse it into the delicate whimsy that's been their calling card since the beginning. This, combined with many overt literary allusions -- the Tolkeinisms of the title of "The Battle of Epping Forest" only being the most apparent -- gives this album a storybook quality. It plays as a collection of short stories, fables, and fairy tales, and it is also a rock record, which naturally makes it quite extraordinary as a collection, but also as a set of individual songs. Genesis has never been as direct as they've been on the fanciful yet hook-driven "I Know What I Like (In Your Wardrobe)" -- apart from the fluttering flutes in the fade-out, it could easily be mistaken for a glam single -- or as achingly fragile as on "More Fool Me," sung by Phil Collins. It's this delicate balance and how the album showcases the band's narrative force on a small scale as well as large that makes this their arguable high-water mark. ~ Stephen Thomas Erlewine
Rovi