ロドリーゴ: アランフエス協奏曲, 他＜タワーレコード限定＞

○BPOバックの「アランフエス」とソロの「リサイタル盤」をカップリング。技巧と理知性を合わせ持ったベーレントの名技が光る!

古くからのギター・ファンには特に名高い、名手ベーレント(1933-1990)がDGレーベルに残した重要なアルバム2枚を復刻。DISC2の「リサイタル盤」は世界初CD化の貴重音源です。元々、「アランフエス」他とこの「リサイタル盤」は、DGの初リリース時に連番で発売されました。録音はDISC1の「アランフエス」他が最初にされたものの、すぐ後にベルリンにあるドイツ・グラモフォンUFAスタジオで収録されたのが、ソロ録音であるDISC2の「リサイタル盤」です。尚、この「リサイタル盤」の表題は日本での初発売時にのみ付けられたもので、海外盤ではタイトルはありませんでした。
バックがベルリン・フィルであるアランフエス協奏曲はかなり珍しく、現在でもほぼ唯一ではないでしょうか。当時カラヤン他との録音会場であったベルリンのイエス・キリスト教会での録音は、現在聴いても水準以上の出来であり、ギターの音色もしっかりと捉えられている優秀録音です。またこの曲は他の多数の録音と比較してテンポが速めと言われているようですが、一聴すると、音楽を無視して最速で弾いている訳では決してなく、確かな技巧と信念を持った上で曲に最大限敬意を払った名演であることがわかると思います。バックもベーレントに触発されて第三楽章では豊かな感興も見られるなど、聴きどころのある名盤です。
DISC2はベーレントの独壇場で、理知的でありながらも技巧を駆使した演奏に圧倒されます。これまでベーレントは、技量は確かだが一方で冷たいとの評価があったことも確かです。しかし今回あらためて従来通りオリジナルのマスター・テープからハイビット・ハイサンプリング(192kHz、24bit)音源をCDマスターに使用したことにより、鮮明な録音が蘇りました。よりベーレントの音楽性が見える結果となり、これまでの彼に対する評価が一新される復刻になったと思われます。尚、DISC2の「リサイタル盤」のオリジナル・ジャケットは貴重で、DGにも所蔵されておりませんでした。この貴重なジャケットを別途お借りし、今回の復刻では中のブックレットにデザインを再現していることも、この盤の価値を高めています。