このアルバムは2014年の1月2日、新宿ピットインの「NEW YEAR SPECIAL 2014 森山威男4DAYS」の初日のステージ「森山・板橋クインテット」を収録したライヴ・アルバムである。フリーとメイン・ストリームのはざまを絶妙な距離感を保ちながら、密度の濃いしなやかなリズムを叩く森山威男と縦横無尽にダイナミックなピアノを弾く板橋文夫、そしてクールに燃えるテナーの川嶋哲郎、ブリリアントなトーンのトランペット類家心平、着実なリズムをキープするベースの加藤真一という新宿ピットインが最もよく似合う男衆5人の実像がここにはリアルに映し出されている。選ばれた曲はすべて板橋文夫の曲である。板橋の書く曲は心の中から自然とにじみ出てくる魂の唄である。そこには青春の甘酸っぱさや故郷の暖かい温もりがあり、生きる喜びをイマジネーションの源としているのだ。ジャズを演奏するよろこびが曲から湧きあがり、聴くものを夢中にさせる。だから森山威男は板橋を信頼し板橋の曲を愛し、自分の曲のようにステージで演奏するのである。"アリゲーターダンス""渡良瀬""グッドバイ"という名曲は森山・板橋のステージの定番になっている。つまり、ここに選ばれた曲は2人にとっていつまでも新鮮で魅力的な曲ばかりなのである。本作は作曲者の板橋が加わった森山・板橋クインテット・プレイズ板橋文夫選集となっている。(望月由美:ライナーノートより一部抜粋)
発売・販売元 提供資料(2014/12/09)