いまなお世界中の人々を魅了しアメリカの20世紀を代表する女性シンガー、ニーナ・シモンが他界して11年(2014年時)。彼女を愛してやまないニュー・ジェネレーションPOP/SOUL/JAZZアーティストたちが彼女にオマージュを捧げたトリビュート・アルバムが登場。
本作の参加アーティストは最後にニーナが過ごしたフランスからのアーティストたちがメイン。ロック/ソウル/ジャズ/フレンチポップスと幅広いのはニーナ・シモンの音楽の幅広さそのものを反映している。Sophie Hunger、Gregory Porter、 Olivia Ruiz、Melody Gardot'、Hindi Zahra、Ben l'Oncle Soul、Camille、Lianne La Havas、Youn Sun Nah、Keziah Jonesなど。最新のサウンドでそれぞれが歌うニーナ・シモン・ナンバーはどれも心にしみてカッコいい。2014秋にピッタリの注目作品!!!!!
ドラマチックなニーナの歌声とファースト・ランクのピアニストとしての腕前を持つニーナ・シモンはアフロ・アメリカン音楽のクロスロードにおいてトップ・ランクのパフォーマー、世に知られたころには既に悲劇の人かつ、目を見張るような才能をもったシンガーとして認識された、それがニーナであり、彼女は最後のジャズ・ディーヴァである。30年代まだまだ人種差別の激しいノースカロライナ州で生まれ育ったEunice Waymon(本名)は初の黒人女性コンサート・ピアニストになることを夢見ていた。生活のために彼女はジャズ・シンガーになり、自身をニーナ・シモンと名乗った。ニーナ・シモンと名乗って以降"I Love You Porgy"などの大ヒットを出したり、アフリカ系アメリカ人公民権運動の象徴的存在としても活躍。70年代初め以降約20年間, カリブ、アフリカ、ヨーロッパなどを旅して彼女独自にクラシック/ブルーズ/ソウルなどクロスオーヴァーの先駆けとなる音楽を構築、1987年にヒットした"My Baby Just Cares (For Me)"でさらにファン層を広げ、いまではrap,R&B,rockミュージシャンのアイコンにもなっている。
発売・販売元 提供資料(2014/10/01)
ニーナ・シモンのレパートリーを各国の気鋭が取り上げたフランス制作のトリビュート作品。この手の企画によくある大物の顔見世っぽい要素は薄く、リアン・ラ・ハヴァスやグレゴリー・ポーター、インディ・ザーラ、ベン・ロンクル・ソウル、メロディ・ガルドー、ユン・サン・ナなど、新鮮味のある顔ぶれが必然性のあるパフォーマンスを披露してくれる。唯一のヴェテランとなるキザイア・ジョーンズの"Sinnerman"も素晴らしい。
bounce (C)香椎恵
タワーレコード(vol.376(2015年2月25日発行号)掲載)