ソニック・ユースやチェルシー・ライト・ムーヴィングなどで活動する言わずもがなのオルタナティヴ御大サーストン・ムーアと、チェルシー・ライト・ムーヴィングのメンバーでありボアダムスなどにも参加経験のあるドラマー/マルチ・インストゥルメンタリストのジョン・マロニーによるデュオの最新作。コラボレーションを含め多作なサーストン・ムーアですが、ジョン・マロニーと組んでいるこのプロジェクトでは2012年より定期的に作品を出し続けており、相性の良いタッグとしてパーマネントな活動となっているようで、サーストン本人もジョンのことを「いつも一緒にツアーしてともに戦っている盟友だ」と言うほど親密な関係性。ソニック・ユース後期や近年のソロ作品などではメロウ寄りだったり穏やかな作品を出すことも多かったサーストンですが、ジョンの扇動的なドラミングに触発されているのか、本作ではフリー・ジャズやアヴァン・ノイズをベースとし、メタルとも接近するようなヘヴィで強靭なリフ、そして、まさしくソニック・ユース黄金期のようなカタルシスを感じさせるジャム・セッションなど、強く攻撃的に奏でています。このユニットこそが、今、サーストンがもっとも心から自身の精神を解放できる場所なのかもしれません!
発売・販売元 提供資料(2015/04/08)
サーストン・ムーアと、チェルシー・ライト・ムーヴィング仲間でマルチ・インストゥルメンタリストのジョン・マロニーによるこのコラボ盤は、サーストンのソロ・キャリア中でもエクスペリメンタルな部類に入る内容だろう。しかし、激しいドラムとヘヴィーでフリーキーなギターが交差する作りは、かつてのソニック・ユースとかスワンズとかがフリージャズと混じった時のような、ノイズ/スカム・ロックを彷彿とさせる。
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タワーレコード(vol.379(2015年5月25日発行号)掲載)