モーツァルト: フルート協奏曲 第2番; J.S.バッハ: 管弦楽組曲 第2番, 他＜タワーレコード限定＞

息子との心温まる共演盤。レアな息子指揮のラヴェル3作品を特別収録。世界初CD化。

モーツァルト、バッハ、グルックの3作品は大指揮者モントゥーとその子息でフルート奏者、指揮者だったクロード・モントゥー(1920～2013)の共演盤です。クロード・モントゥーはボストン交響楽団の首席フルート奏者だったジョルジュ・ローランにフルートを学び、世界的なフルート奏者として活躍。トスカニーニ、ワルター、ビーチャム、ストコフスキー、カザルス、ストラヴィンスキー、そして父モントゥーと共演しました。指揮者としてもコロンバス交響楽団(1953～56)とハドソン・ヴァレー・フィルハーモニー(1959～75)の音楽監督を歴任したほか、世界各地のオーケストラに客演しました。
フルート奏者としてのクロード・モントゥーの音楽性はモーツァルトの協奏曲に明らかで、深く太い音の質と流麗な技巧をもち、内面的な深みや落ち着いた気品を感じさせるものです。フランス系の奏者のような外面的な華やかさはありませんが、音楽の内容に沈潜するような演奏は、このフルート奏者の豊かな音楽性を証明しています。
これら3曲は、現代ならピリオド楽器&奏法で演じられる機会の多い作品ですが、モントゥーは当然モダン楽器&奏法による演奏です。そしてモダン楽器の豊かでコクのある響きを生かして、音楽を時代を超越したものとして解釈し、スケール雄大に造形しています。とくにLP時代から名演として知られたのがバッハで、バロック音楽風ではまったくなく、メンゲルベルク指揮の『マタイ受難曲』に通じるような荘厳さと迫力があり、かつモントゥーのリズムの良さにより音楽は素晴らしい推進力を有しています。クロード・モントゥーのフルート・ソロも父の偉大な音楽の内面に深く入り込み、父と一体となって味わい深い音楽を奏でています。
カップリングは世界初CD化となる貴重なクロード・モントゥー指揮のラヴェル/管弦楽曲集です。息子クロードの指揮ぶりは父と同様素晴らしい生命力をもっています。そして表現は父よりもずっとロマンティックで、緩急、強弱ともふり幅の大きなものとなっています。オーケストラの緻密なコントロールや繊細さでは父に一歩譲りますが、両大戦間の演奏の黄金時代を体験した人ならではの情熱あふれる演奏が魅力的です。
今回の復刻ではあらたにアナログマスターから、ハイビット・ハイサンプリングでデジタル化しておりますので、これまでより鮮明できめ細やかな音質を再現することができました。蘇った音質にも注目ください。