ロック・バンド、DIR EN GREYの3年4カ月ぶり(2014年時)となる通算9枚目のアルバム。ギリシャ語で"根源"の意を持つ『ARCHE』が、歌詩やサウンドにどのように込められるのか、また彼らが核に据えてきた"痛み"が楽曲にどのように現され、聴く者に伝えられるのか注目の一枚。 (C)RS
JMD(2014/10/04)
前作『DUM SPIRO SPERO』が2011年8月3日に発表されて以来、3年4ヵ月振りとなる2014年12月10日、DIR EN GREYの9作品目となるアルバム『ARCHE』。
SONY
発売・販売元 提供資料(2014/09/01)
DIR EN GREY流のロックンロール──そんな呼び方もしたくなるアルバムだ。世界が彼らへの注目度を高めることになった『UROBOROS』(2008年)と『DUM SPIRO SPERO』(2011年)は、複雑怪奇なアンサンブルを緻密に組み上げた重厚な作品だったが、それとは真逆とも言える大胆に削ぎ落としたシンプルなアプローチが、新鮮な響きをもたらす。ライヴでの実演と同様のグルーヴを銀盤へどのように活かすのか。その命題に対する答えが多角的に表れている。初期~中期のスタイルを思い起こす場面があるのも興味深く、これは一切の制約を取り除き、感性が赴くままに楽曲が結実していった証でもあるだろう。集約的でありながら、いまだ見ぬ空間へと誘う。新たなスタンダードが確立されつつある。
bounce (C)土屋京輔
タワーレコード(vol.374(2014年12月25日発行号)掲載)