えり子と寡黙な兄のまことは2人暮らし。ある日、バーで飲んでいた2人のところに、えり子の恋人・淳一がやって来た。えり子はお互いに紹介するが、まことはイライラした様子で席をたつ。娘のようにかわいがるえり子に恋人が・・・。夜のネオン街を淋しそうに彷徨うまこと。アパートで話す2人、「お前、あの男と寝たのか?」、「寝たわ、寝たわよ!」。かっとなったまことはえり子を殴りアパートを出る。そして、酒場でまことはつぶれるまで酒を飲む・・・。目覚めたまことが家に電話すると誰もでない。アパートへ帰ったまことが、えり子に「どこへ行ってた?」と問う。えり子は「バイトよ」と答えるが、まことの頭には淳一と寝るえり子の姿が浮かぶ・・・そして!衝動的にえり子に襲いかかるまこと。なすがままにするえり子・・・。翌日、えり子は全てを忘れて家を出た。楽しそうに暮らす淳一とえり子。淋しそうに暮らすまこと。そんなある夜、まことは淳一が他の女と会ってるのを目撃する。女に事情を聞いたまことは、女が淳一の元・妻である事、また、淳一が病気で子供を作れない身体である事を知る。そして、この事を伝えようと、まことはえり子に「話しがあるから会ってほしい」と電話する。えり子もまことに話したい事があるという。久しぶりにアパートで食事をする兄と妹。そして、えり子の口から出た言葉は『妊娠』・・・。「まさか、あの時の事が・・・」狼狽するまことは「始末しろ!」と怒鳴るが、泣くえり子を見て、ついに淳一の事を話し、「オレの子供だよ・・・」と呟く。一方、淳一は部屋で育児の本を見て、えり子の妊娠=浮気に気づき発狂する。全てを悟ったえり子は「お兄ちゃん、一緒に死のう」と、ガス心中をはかる。見つめ合う2人・・・「かわいそうだね、私たちの赤ちゃん」えり子はそっと呟いた。