「僕のヒーローであり、僕の大好きなデュエット・パートナーである二人がこんなセットで演奏するのを聴けるなんてなんと素晴らしいご褒美なんだろう!本作は永遠に残る名盤になること間違いない。」 ―パット・メセニー
アヴァンギャルド・ベースの長老チャーリー・ヘイデンと同じく50年以上ジャズ・ギターのメインストリームを走ってきたジム・ホールの夢のデュオ作品(コンサートの長さ分の尺としては初)がImpulse! から遂にリリース。
パット・メセニーの言葉の通り、デュオのアートをも長く築いてきた2人。ヘイデンはキース・ジャレット、オーネット・コールマン、ケニー・バロンらと、またホールはロン・カーター、ジョージ・シアリング、ビル・エヴァンスらと。さらに2人ともパット・メセニーとのデュオも経験していてオーネット・コールマンのリーダーの元でThe Complete Science Fiction Sessionsに参加。さらに2人とも”ジャズ”という枠決めが大嫌いでHadenはThe Minutemenというパンク・ロック・トリオとジャムしたり、マイルス・デイヴィスの後期のエレクトロニック時代(アルバム『You're Under Arrest』頃)のコンサートをホールは「バックビートのバルトーク!」と大絶賛するのだった。そんな二人の本作は1990年のモントリオール・ジャズ・フェスティヴァルでのスタンダード・セットのライヴ録音で心から通じ合い、とっても優しいジェントルメンを感じることのできる作品!
ステージやスタジオでの共演以外でもどこか共通点の多い二人、聴きどころは満載でヘイデンのフォークへの傾倒もあればホールのブルースやフォークが見え隠れするようなシンプルなアプローチもあったり、2人のスウィング、きらめくようなソロ、ワクワクするようなインタープレイ、無いものはないくらい!真剣な音楽はプレイヤーにとってもリスナーにとっても大きな喜びを感じることが出来ます。
惜しくも2014年7月11日にチャーリー・ヘイデンは長い闘病生活の末に他界されました。
発売・販売元 提供資料(2014/08/08)
ジョン・コルトレーンの諸作など、前衛的な作品の数々を世に送り出した伝説のレーベル〈Impulse!〉が再始動!その第1弾となる本作は、2013年末に亡くなったジャズ・ギター界の伝説=ジム・ホールと、2014年7月11日に長い闘病の末、惜しまれながら亡くなった大御所ベーシスト=チャーリー・ヘイデンの奇跡の共演盤。ジャズ界において、後進にも絶大な影響を与えた巨星2人ですが、ともに〈デュオの名手〉として名高く(ジム・ホールはビル・エヴァンスをはじめ、ロン・カーター、パット・メセニーなど。チャーリー・ヘイデンはキース・ジャレットやハンク・ジョーンズ、そしてパット・メセニー等々)、その2人が完全に息の合ったデュオ・パフォーマンスを披露している名盤の登場です。1990年、モントリオール・ジャズ・フェスティヴァルで、50年以上にも及ぶ交友において初めてとなったデュオ・パフォーマンスをライヴ・レコーディングした作品です。2人と共演盤をリリースしたパット・メセニーも「私にとってのヒーローであり、大切なパートナーでもある2人が、こういう形で録音を残しているのに感激している」とコメントするなど、大きな話題となっています。
発売・販売元 提供資料(2014/08/08)
2013年、14年と相次いで亡くなったジム・ホールとチャーリー・ヘイデン。その両者が共演していた1990年モントリオール・ジャズ・フェスティバルでの音源が名門Impulse!から登場です。ジャズの一時代を創りながら、そこに留まらない普遍性を持った音こそが両者の共通点。確かにこの演奏からも、スウィングと同じようにフォーキーで温もり溢れる音の質感と音楽への深い愛情を感じます。失ったものはあまりにも大きいですが、この音楽がある限りは、きっと私たちはひとりぼっちではないはず。そして改めて、巨星に哀悼と、さよならと、永遠を捧げたいと思います。
intoxicate (C)平野望
タワーレコード(vol.112(2014年10月10日発行号)掲載)