ソウル・ディーヴァ、ジャズミン・サリヴァンが4年の沈黙を破りリリースする、新たな旅立ち
2008年アルバム『Fearless』でデビュー。グラミー・ノミネートは10回以上、そしてデビュー以前から、11歳でアポロシアターに立ち、高校生で『ブラック・リリィ』(ジル・スコットやザ・ルーツなど多くのアーティストを輩出してきた“若きアーティストの登竜門”として有名なパーティ)に史上最年少でレギュラー出演と、歌唱力/センス/パフォーマンスいずれにおいても逸材と注目を集めてきたソウル・ディーヴァ、ジャズミン・サリヴァン。2010年にセカンド・アルバム『Love Me Back』をリリースして間もなく、突然休業宣言。
そして27歳になった2014年、4年の沈黙を破り今作『Reality Show』をリリース。2010年当時は、辛い恋愛や自身にまつわる様々なことから自ら突発的に休業を宣言してしまったものの、この4年間は自身を見つめる機会になったという。幼い頃からショー・ビジネスに身を置いてきた彼女にとって当たり前になっていた、ステージに立つことの意味、また自身の癒しとしての音楽を再発見することになり、ファースト・アルバム制作時のような新鮮な感覚が蘇る中で制作されたという。レコーディングは地元フィラデルフィアで行われ、彼女の持ち味である内面そのものを吐露するような表現が、再び溢れている。
一人の女性として、アーティストとして成長したジャズミン・サリヴァンが、新たな境地で歌うソウル・ミュージックだ。
発売・販売元 提供資料(2014/12/08)
引退騒動から約4年、ケンドリック・ラマーやロバート・グラスパーとの共演を含む断続的な露出やソングライター活動を経てサード・アルバムが届いた。ミッシー・エリオットの参加はないものの、サラーム・レミが引き続き後見役を担い、参謀のアント・ベルやチャック・ハーモニーも続投している。が、今回はサラームと共同で手掛けた“Dumb”をはじめ、多くの曲をプロデュースしたキー・ウェインこそが文字通りのキーマンだろう。なかでも浮遊感のある意匠とクワイエット・ストーム的な美旋律が生々しく絡む“Mascara”や“Let It Burn”は素晴らしい! 初顔合わせではDJダーヒーの仕事もいい感じだし、何よりガラージでもレトロ路線でも圧倒的な歌唱の存在感が嬉しすぎる。浴びるように堪能したい傑作!
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.375(2015年1月25日発行号)掲載)