デイヴ・リーブマンに師事し、テリリン・キャリントンや、エスペランサ・スポルディングと共演。その両者がリズム・セクションをつとめるモザイク・プロジェクトで東京JAZZでも大フィーチャーされ、存在感を見せた、オランダの女流サックス奏者ティネカ・ポスマの作品。
実に3年振り、6作目のCD作品になりますが、今回は驚きの組み合わせ!M-Baseの開祖であるグレッグ・オズビーとの双頭リーダー作になりました。
NYのジャズ・シーンでも活動し、あのダイアン・リーブスの作品に参加する他、アル・フォスターらと、殿堂ヴァンガードにも出演。百戦錬磨に成長を遂げるティネカですが、これは果敢なる挑戦。ティネカにとって、オズビーは、メンターでもあった存在でもあったのです。
しかし、演奏は競った勝負を見せます。もともと、ポスト・バップ的な演奏を見せていたティネカが、オズビーに導かれて、大胆にM-Base的な演奏で疾走。才女リンダ・オーとダン・ウエイスのたたきだすリズムは変拍子全開ですが、パズルを組み合わせるような複雑なリズムもものともせず、ジグザグとしたフレーズを矢継ぎ早に繰り出す様には、ティネカの新しい表現が見えるというものになっています。
コンポジションも2人のオリジナルで、お互いの曲を交互に配置している構成も興味深いものがあります。実際には、リハ的なものもほとんどないに等しくレコーディングされた、とのことですが、そんな背景も感じさせない演奏の数々。ミニマル・ミュージック的な反復なども取り入れながら、細かいパーツが複雑に連なって大きなうねりを生み出していくM3 辺りは、オズビーの曲かと思いきや、ティネカのものであったり、二人のサックス奏者の生の相互作用が演奏に結実しています。
レコーディングは2013年11月、NY テデスコ・スタジオにて。
発売・販売元 提供資料(2014/12/17)