サラーム・レミの秘蔵っ子、UKソウルの新星 リアム・ベイリー待望のメジャー・デビュー・アルバム
リアム・ベイリーは、ロンドンを拠点とするソウル・シンガー。自身のギターが牽引するサウンド、そしてオアシスやザ・スミスのソング・ライティングにも例えられるポスト・パンクな詞、魂の吐露ともいえるようなスイートでありながら芯のある歌声で、これまでにもUKソウル・ファンを中心に才能を嘱望されてきた存在だ。
最初に彼を見出したのは、エイミー・ワインハウス。その才能にほれ込んだエイミー・ワインハウスは2010年に自身のレーベルであるライオス・レコーズより彼の初作品となるEPをリリースし、このことがサラーム・レミと彼を引き合わせるきっかけとなった。その後2011年にUKダンス・チャート1位を記録したChase & Statusの「Blind Faith」にフィーチャリング及び共作で参加するなど注目を集める機会に恵まれながらも、エイミー亡きあとの契約レーベルとは‘制作するもお蔵入り'が続いていた。
そこへきて、常に彼の理解者であり続けたサラーム・レミが2012年にソニーに自身のレーベル“Flying Budda”を設立したことから、今作が遂にリリースされる運びとなった。サラーム・レミ全面監修の下、4年間“静かなカリズマ”で在り続けたリアム・ベイリーの才能を詰め込んだ、思い入れたっぷりのアルバムである。
その音楽性がボブ・マーリー、サム・クック、オーティス・レディング、ビル・ウィザース等、彼自身よりも以前のソウル・ミュージックに例えられることが多いリアム・ベイリーだが、そうした先達と同様に、時代を問わず人々の心にフィットするスタイリッシュなソウル・ミュージックが、成熟を経て送りだされる。
発売・販売元 提供資料(2014/07/08)
エイミー・ワインハウスに見い出され、ライオネスからEPをリリースしていたロンドンのシンガー。チェイス&ステイタス作品への客演を経て登場した初のフル・アルバムは、そのエイミー繋がりでサラーム・レミがプロデュースを担当している。70年代以前のオールド・ブルースを、ソウルフルかつロッキンなネオ・ヴィンテージ感覚で咀嚼した音作りがとても新鮮。ベンジャミン・ブッカーと並んで話題を集めそうだ。
bounce (C)吾郎メモ
タワーレコード(vol.370(2014年8月25日発行号)掲載)