Eye Of The Beholder/Can You Feel It?

NYラテン隆盛のキーマンであり、サルサ/ラテン・ジャズ・シーンにおける最高のコンガ奏者として歴史にその名を刻む名手レイ・バレット。1950年代末より頭角を現し、ティト・プエンテと共に活動。70年代に入ると伝説のサルサ・レーベル「ファニア」を象徴するミュージシャンとして君臨し、数多の名作を生み出してきたバンドリーダーとしても偉大なる存在だ。そして、もう一つ注目すべきはその多角的なサウンド・アプローチにも才能を発揮した点。ラテンをベースにジャズ/ソウルを取り入れたスリリングなフュージョン志向にも長けたアルバムも残し、今なお多くのリスナーに支持されている。そのキャリアに目をつけたのが名門EXPANSION。同社の名作2in1CDシリーズに、レイ・バレットの70年代後期のアトランティック原盤によるファンキー&メロウ・チューン満載の2作がラインナップに加わると言う、ファンには嬉しいリリースがこれだ。前半(#1-#8)は、1977年オリジナルの「EYE OF THE BEHOLDER」。こちらは単独も含めて初CD化となる逸品。ウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプルなどクルセイダーズの面々がサポートしたラテン・ジャズ・ファンクの傑作。オープニングのメロウ・ブギー・チューン"Here We Go Again"、そしてブレイクビーツを挿入したジャズ・フュージョン・キラー"Numero Uno"、をはじめ、"Salsa-Can-Fusion"、"Tumbao Africano"などレイのパーカッションが映えるラテン・チューンも最高。後半(#9-#17)は、ソウル/ディスコ系DJからも人気の78年オリジナル「CAN YOU FEEL IT」。Cissy Houstonのヴォーカルをフィーチュアしたラテン・ディスコのタイトル曲をはじめ、スペイシーなガラージ・クラシックスとしても支持される"Stargazer"、メロウ・ブラジリアン・ソウル"Summer Sun"、爽快なサンバ・フュージョン"Day Dreams"など、クロスオーバー・ラテンの奇跡的な瞬間が凝縮されたコンテンツ。オリジナル・マスタテープから興した迫力のグルーヴィ・サウンドを蘇らせた、EXPANSIONの復刻ワークにも抜かりなし!