スリーピース・バンドsyrup16gが2008年の解散から6年ぶりに再結成しリリースする通算8枚目のフル・アルバム。胸を打つメロディーと、独特の世界観による歌詞が融合するsyrup16gの世界が再び。彼らならではのコードワークと2014年に発表するにふさわしいアイデアが随所に散りばめられた渾身の一枚。 (C)RS
JMD(2014/07/17)
2013年5月のNHKホール、五十嵐隆名義で行われた「生還」ライブに参加した、中畑大樹とキタダマキ。あの日以来長い時間をかけて話し合い、遂にsyrup16gの名を掲げて活動を再開。アルバムタイトルに選ばれた言葉は"Hurt"。平安な眠りから覚め、傷つけられることも時には傷つけることもある荒海に漕ぎ出します。今回レコーディングされた11曲はすべて未発表の書き下ろし。生きにくい世界と対峙するための手がかりが音楽、そんなsyrup16gの曲が産み出された時代に共に生きる喜び。胸を打つメロディーと、独特の世界観で他の追随を許さない歌詞世界が融合する時、syrup16gの世界がまた始まります。彼らならではのコードワークと2014年に発表するにふさわしいアイディアも随所にちりばめられた渾身の11曲です。
UKプロジェクト
発売・販売元 提供資料(2014/06/27)
再結成を発表したsyrup16gの実に6年半ぶりとなる新作は、一度ボロボロになった五十嵐隆が再生するまでのドキュメントのような作品だ。アルバム中でもっともヘヴィーな“Share the light”から始まり、〈3.11〉後の世界を見つめ、自己探求を繰り返し、ラストの晴れやかな“旅立ちの歌”に辿り着いたときのカタルシスがたまらない。では、なぜ五十嵐は再生することができたのか? それは結局、音楽の力が大きかったに違いない。本作を聴いているとスミスやXTCからマイケル・ジャクソンに至るまで、五十嵐少年がかつて夢中になったであろう楽曲の断片が浮かんでは消えて行く。そう、彼は鋭利な言葉を吐く詩人である前に、やはり根っからの音楽ファンなのだ。それが伝わってくることが、何より嬉しい。
bounce (C)金子厚武
タワーレコード(vol.370(2014年8月25日発行号)掲載)