ダイナソーJR.のフロントマン、J・マスキスが3年振り2作目となるソロ名義のスタジオ・アルバムをサブ・ポップからリリース!前作同様全編アコースティック・サウンドによる本作『タイド・トゥ・ア・スター』はダイナソーJR.の轟音とは趣の異なる、極めて繊細で穏やかなメロディーを聴かせる美しいアルバムである。全曲セルフ・プロデュースにて制作され、ゲスト陣も現代のUSシーンを代表する女性シンガー、キャット・パワーやドキュメンタリー映画で人気に火がついた高齢者のコーラス・グループ、ヤング@ハートのピアニストであるケン・マイウリ、サンディエゴ・シーンの代表格ブラック・ハート・プロセッションのフロントマンで元スリー・マイル・パイロットのポール・ジェンキンス、そしてミラクル・リージョンのマーク・マルケイが参加。
アメリカン・トラッドやアメリカン・ルーツを感じさせるアコースティック・ギターを軸としたシンプルなドラムレスのサウンドにJの哀愁に満ちたエモーショナルなボーカルが入り交じる「Me Again」(M-1)から始まり、オルタナ・カントリーを経由したポップでメロウなJ節全開の爽快フォーキー・ロック「Every Morning」(M-2)、さらにオリエンタルな超絶ギターテクで翻弄する「Heal the Star」(M-3)と展開。そしてアコギの凛とした響きとエフェクトをかけて歪ませたギターの音色に心奪われる「Stumble」(M-5)、オーガニックなサウンドとコーラスの波が至福の時へと誘う「And Then」(M-6)と癒しサウンドが続くなか、スパイスとしてダイナミックなギター・プレイで痺れさせるインスト・ナンバー「Drifter」(M-7)を差し込んでくるあたりがなんともニクい構成!ニール・ヤングやカート・ヴァイル、ジェームス・イハに通じる雰囲気とJ独特のコード進行にエフェクト使い、そして轟音を封印してもなおにじみ出るダイナソー・サウンドは、聴けば誰でも号泣ならぬ轟泣必至!
シンプルに音を削ぎ落としながらもJ・マスキスの魅力が随所に感じられる完成度の高い本作はソロ代表作として今後位置づけされる素晴らしい傑作。またアートワークは前作に続きダイナソーJR.のデザインも手掛けるイラストレーターMarq Spustaが担当、ドリーミーJKも健在です!
発売・販売元 提供資料(2014/06/24)
ファックト・アップ作品への参加も話題を集めるなか、キャット・パワーやミラクル・リージョンのマークをゲストに迎えて2枚目のソロ名義作を発表。“Wide Awake”ではダイナソーJr特有の哀愁味が彼の繊細なギター・リフから生まれていることを確信させられ、インスト曲ではトラッド・フォーク趣味も覗け……と、Jの解体新書的な一枚になっている。今後もこういったネイキッドなアコースティック盤を発表してほしい。
bounce (C)長崎耕平
タワーレコード(vol.370(2014年8月25日発行号)掲載)