シダー・ウォルトンの1977年~1978年の年末年始、キーストン・コーナーでの未発表ライヴ音源!キーストン・コーナーといえば言わずもがな、当時の一大ジャズ拠点。ビル・エヴァンスの最晩年のコンサート音源を始め、数々の名ライブが繰り広げられたことで知られ、多くの素晴らしい音源が残されていますが、本ライブも、熱気溢れかえる演奏が記録されています。このライヴは、クラブのオーナー、トッド・バルカン氏の最も親しかったミュージシャンの1人であるローランド・カーク(1977年12月5日死去)のメモリアルのライブでもあるのです。メンバーは当時のシダー・ウォルトンのレギュラー・カルテットと、シダー・ウォルトンにとって、アート・ブレイキー・ジャズ・メッセンジャースの仲間であるフレディ・ハバードが参加(3曲)。1970年代後半という時代、音楽の一つの主流はクロス・オーバー/フュージョン。参加したフレディ・ハバードは、CTI、Columbiaの諸作で大成功をおさめた一方、本流のジャズ・クリティックスからはそのファッショナブルな演奏が辛い評価を受けていた時期。しかし、ここで繰り広げられるのは、1950年代~1960年代の時代の熱さがほとばしる演奏になっています。特にシダー・ウォルトン、フレディ・ハバードがジャズ・メッセンジャーズ時代に演奏した名曲"UGETSU"は聴きもの。ブルージーかつ神々しいモーダルなピアノのイントロに、フロントを飾るハバードとボブ・バーグが熱演。ファラオ・サンダースが乗り移ったようなヨーデル的な音も聴かせるボブ・バーグは最高にスピリチュアルでダイナミックなブローを聴かせ、対するハバードはフリューゲルで、ジャズのロマンを表現。この演奏、1960年代を経てきたからこその演奏といえます。スウィンギーなブルース、光るバラード演奏のような味わい深いワン・ホーンと、ブルーノート時代の勢いを思い起こさせるハード・バップ。そして、ラストはコルトレーンの名曲"Impressions"でメンバー全員炸裂!特にコルトレーンが乗り移ったようなバーグ、マッコイばりのウォルトンの演奏はすさまじいものがあります。1970年代のジャズの一頁を語る演奏!
発売・販売元 提供資料(2014/08/14)