2014年にNAZORANAI及びソロで来日公演を行ったオーレン・アバーチとサン O)))のスティーヴン・アバーチ、名手プロデューサーのランドール・ダンという3人の盟友によるプロジェクト・アルバム。ベルギー映画『Kairos』用に制作した劇伴曲を、1枚のアルバムとして作り込んだ現代アヴァン/ドローン/エレクトロニカ作品。 (C)RS
JMD(2014/06/13)
NAZORANAI及び別編成/ソロでの来日公演を行ったオーレン・アンバーチとスティーヴン・オマリー(サンO)))、KTL他)が中心になり始動したプロジェクトのアルバム。盟友であり名手のプロデューサー:ランドール・ダンをメンバーに迎え、「かつてのプログレ勢がそうだったように、敢えてグループ名を付けず、個人名の併記にして」動き始めた。元々本作は2009年、ベルギー映画『Kairos』のスコアとして制作され始めた。古くからあるベルギーのラジオ局で行ったセッションを基にスコアとして絞り込み、そこから発展させつつ音楽的な部分に比重を置いてさらに作り込んだものだ。音楽ありきではなく、映像/アート・プロジェクト用に劇伴曲を作りながら1枚のアルバムとして音楽を作り込んでいく過程と成り立ちが、同じくスティーヴン・オマリーが敦夫(Boris)らと組んだアンサンブル・パールに通じている。両者の制作時期も近く、対の作品としても楽しむことが可能だ。ランドールがプロデューサーとしてだけではなく、MMoB同様ミュージシャンとして名を連ねているだけあり、彼の作家性が強く窺われる。シンセを効果的に導入しながら、現代アヴァン/ドローン/エレクトロニカの粋を集めた作風は破壊的なエクストリームさというよりは、構築美を強く感じさせる。4曲目"Sometimes"では独特なスタイルで高い評価を得るシンガー・ソングライター朝生愛が参加。スティーヴンは自らのレーベルで彼女の最新作をリリース、2013年4月にはイギリスでのライヴに出演させるなど、彼女の世界進出に一役買っている。海外はアナログ盤とデジタル配信のみ、CD化されるのは全世界で日本盤だけ。CDは完全未発表音源を収録したボーナス・ディスク付2枚組、紙ジャケット仕様。
発売・販売元 提供資料(2014/06/06)