これまで〈Planet Mu〉〈Ramp〉〈Rush Hour〉〈50 Weapons〉〈Hemlock〉〈Swamp81〉といった気鋭レーベル総なめ状態でリリースを重ね、2012年に<Ninja Tune>からリリースした『Hardcourage』はレディオヘッド、ジェイムス・ブレイク、真鍋大度をはじめ多くのアーティストが賛辞を送ったフォルティDLが2年ぶり4作目となる『In TheWild』をリリース!映像作家とのコラボレーションを前提に制作された本作は、シネマティックなインタルード曲を挿みながらも、前作や12インチ・リリースで展開してきた煌びやかな120%フォルティ節なハウスにマッドな声ネタを執拗に絡め、地下鉄車内で踊り狂うダンサーPVも話題のティーザー・トラック「Do Me」(M-4)をはじめ、浮遊するピアノとトライバルな叩きものを軸にジューク以降のタイム感が斬新なエディット・ハウス「Frontin」(M-7)、BPMをぐっと落としてラグジュアリーなダウンテンポでどっぷりハメる「Ahead The Ship Sleeps」(M-9)、幻想的な音響ジャングル・トラック「Heart & Soul」(M-12)や疾走感溢れるブロークンビーツ・ハウス「Dånger」(M-15)など、ロウ・ハウス~OPN界隈などブルックリンの今一番旬な要素を取り入れた艶やかに狂ったダンス・アルバム!終盤に訪れるリッチな音響の中でドロットしたメロウ・マッドネスが滲むジャズ・ハウス「Some Jazz Shit」(M-16)はムーディマンからトラスミー好きまで悶絶必至のダメ押しキラー・トラック!ぐっと成熟したトラックで脳と腰を直撃する進化の一枚がここに!
発売・販売元 提供資料(2014/06/10)
Pitchfork (Website) - "[T]here's a pleasure in the odd, quiet, open spaces that IN THE WILD suggests."
Clash (Magazine) - "[T]he baton in Lustman's hand assigns everyone something to shake, ping or scrape when directing electronica that's all springs and pulleys."
Rovi
ダンス・トラックを軸にしつつさまざまな音楽要素を内包したエクレクティックな音響作品を提案する名匠、フォルティDLことドリュー・ラストマンの4作目。先行カットの“Do Me”や“Danger”あたりの派手めなアップテンポはあるものの、〈くねくねくねくね……〉のループ(空耳)がやたらと耳に残る“New Haven”や、マイルス・デイヴィス風味の“Ahead The Ship Sleeps”、宇宙シンセのアルペジオが現実逃避を誘う“In The Shit”など、デトロイト・ハウス寄りだった前作に比べ、水浴びのように気持ちいいアンビエンスが増強されたチルなムードを構築。その奥で鳴る軽やかなビートはフロアでの陶酔のみならず、ベッドルームに持ち込める浮遊感を兼ね備えており、いろいろ重宝しそうな好盤である。
bounce (C)佐藤大作
タワーレコード(vol.369(2014年7月25日発行号)掲載)