徹底した時代考証による圧倒的名演。ビーバーの『復権』とも呼べる役割を果たした歴史的録音を集成。

タワーレコード×矢澤孝樹氏による、かつてない古楽界の一大プロジェクト、「ムジカ・アンティクヮ・ケルン」復刻シリーズの第9弾は、ゲーベルがJ.S.バッハと並び強い情熱を持って取り組んでいた、ビーバーとその周辺の音楽家達による作品群を発売します。第7弾で発売しました『ロザリオのソナタ』[PROC-1295/6]と合わせれば、MAKのアルヒーフにおけるビーバー録音は、これで完全に揃います。
ゲーベルはもとよりMAKの思想を色濃く反映したこの作品群こそ、MAKの神髄のひとつと間違いなく言えるでしょうし、まとめてセットで発売する意義がおおいにある、素晴らしい録音です。今回の復刻でも、詳細な曲名(ブッレットで何と曲名・演奏者等のクレジットだけで21ページにもなっています)や発売時の解説、ゲーベル自身の解説訳などを網羅し、資料的な価値も十分あるセットです。尚、DISC2はこれまで日本では未発売でしたが、今回の発売に際しゲーベル自身の解説を新規で訳し、収録しました。矢澤氏の序文解説含め、制作者の方々の熱意があってこその復刻であり、その意味でも価値あるセットです。

タワーレコード （2014/05/08）