| フォーマット | DVD |
| 発売日 | 2014年08月06日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | キングレコード |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | KIBF-4066 |
| SKU | 4988003826857 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:00:00
監督ドン・シーゲル、主演クリント・イーストウッド。「ダーティハリー」を頂点としてドン・シーゲルとの第2作、「真昼の死闘」撮影中、トーマス・カリナンの小説「欺かれた人々」を読んで気に入ったイーストウッドは、さっそく監督のドン・シーゲルに小説を渡した。シーゲルも同様にこの企画は大きな可能性を秘めていると同意し、映画化が決定。それはそれまで「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」のマカロニ・ウェスタン3部作の大ヒットとアメリカ凱旋後の「奴らを高く吊るせ!」「荒鷲の要塞」「マンハッタン無宿」等でアクションヒーローとしての地位を確立していたイーストウッド、そしてそれまでB級アクションやプログラムピクチャーのしがない監督だったシーゲルの両者にとって、まったく新たな試み、新境地開拓へ挑戦する野心作だった。内容は、それまでのアクションや西部劇から一転、女性の恐怖を描くゴシック風のスリラー。しかし公開当時、宣伝用のポスターではイーストウッドが銃をかまえ、あたかも南北戦争で大活躍して勝利を収めるようなアートワークで宣伝され、配給元のユニバーサルでは宣伝方針や公開規模などが揉めに揉めた結果、プレミア上映は中止、急に一斉公開され一週間で打ち切られた。
配給の姿勢に失望と苛立ちを覚えたイーストウッドとシーゲルだったが、作品の出来には両者とも非常に満足していた。特にシーゲルは「私が作った中で最高の映画。多分これから作る作品を入れても最高の作品だ。クリントも非常に喜んでいたのを知っている」と語っている。クリント・イーストウッドやドン・シーゲルの作品は、そのネームバリューの大きさからか何故かアメリカン・ニューシネマの範疇で語られることが無いが、本作「白い肌の異常な夜」は、その内容の地味さと同時代性、そして配給元との関係性において、同じユニバーサル配給のニューシネマ「さすらいのカウボーイ」や「断絶」と非常に似通った運命を辿った作品といえる。所謂“呪われた傑作”である。
また特筆すべきは、本作撮影中にイーストウッドはドン・シーゲルについての短編映画「THE BEGUILED: STORY TELLER」を撮っている。この短編は後にテレビ放映されたらしいが、次に続く初監督作「恐怖のメロディ」の予行演習的な側面を持っている。事実、イーストウッドが初監督作に選んだその「恐怖のメロディ」は、アクションやウェスタンなどイーストウッドが得意としていた、客を呼べるジャンルではなく、「白い肌の異常な夜」をそのまま受け継いだかのような、女性に襲われる恐怖を描くスリラーである。そのようなことからも、本作「白い肌の異常な夜」は、アクションスターではなく映画作家としてのイーストウッドの原点ともいえる作品であり、イーストウッド自身が最も気に入っている作品の一つである。
原題 BEGUILED
1971年12月4日日本公開(ユニヴァーサル映画CIC配給)

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