祝言の直前に、檜山光子の夫に召集令状が届いた。初夜を迎えることなく夫は出征してしまう。そんな光子の美しさに目を奪われた男がいた。村役場に勤める和彦は、光子にクロロフォルムを嗅がせ土倉に監禁してしまう。何度も逃げ出そうとする光子を和彦は無理に犯そうとはしなかった。時間をかけて調教するつもりなのだ。和彦は盥で光子の身体を洗ってやる。抵抗しながらも執拗な愛撫に光子の身体は溶けていくのだった。和彦は光子のためにワンピースを買ってくるがお嬢様育ちの光子は「こんな安物!!」と言いながら引き裂いてしまう。そんなある日、光子の夫が戦死したと聞かされる。帰る家を失って茫然とする光子は呟く、「オモチャはすぐに厭きられる、その時、あなたは私を殺す?・・・もう、私は逃げない・・・抱いて」。燃え上がる二人は初めて心身ともに結ばれたかに思えたのだが・・・。和彦が売ろうとした米俵から「助けて」と書かれた光子の手紙を闇問屋が見つけた。ところが男は光子を救うどころか彼女を抱かしてくれたら誘拐は黙認してやると持ちかけるのだった。和彦は発作的に男を殺害してしまう。数日後、光子は当の和彦にも赤紙が来たことを知った。すでに錠は解かれ、拘束もされていない光子は「地獄に行きましょう」と言いながら和彦と激しく絡み合うのだった。そんな光景を覗いていた女がいた。女郎の加代だ。一途に和彦に惚れていた彼女は光子にアイスピックを向けた、その刹那、和彦が光子を庇って凶刀を受け止めた。息絶える和彦・・・。やがて死ぬこともならず行き場を失った光子の土倉から一匹の白い蝶が飛び立って行った・・・。