知られざる作曲家の名品に光りをあてる「最深!!だれも知らない?クラシック〔作曲家編〕」シリーズ第3弾。20世紀初頭、ブラームスに象徴されるロマン派の影響を色濃く受けながらも、自身の世界を表現することを試みた作曲家、リヒャルト・レスラーの名曲を、彼の孫であるピアニスト、アレクサンダー・レスラー他の演奏で蘇らせた作品。 (C)RS
JMD(2014/02/11)
さまざまな作曲技法が生まれた20世紀初期にあって、ブラームスに象徴されるロマン派の影響を色濃く受けながらも、新たな和声感覚、そしてバロック的な対位法と結びつけることで発展を模索し、自身の世界を表現することを試みた知られざる作曲家、リヒャルト・レスラー。時代に翻弄され、忘れ去られた存在となった作曲家の名品に光をあてるシリーズ第3弾。
<アレクサンダー・レスラー(ピアノ)>
アレクサンダー・レスラーは、リヒャルト・レスラーを祖父に持ち、シュトゥットガルト、ミュンヘン、リューベックでユルゲン・ウーデ、カール・ハインツ・ディール、ローラント・ケラーに付いて学んだ後、演奏家コースの学位課程を優等で修了した。また、フィレンツェでマリア・ティーポに師事し、ロシア出身のピアニスト、スタニスラフ・ネイガウスと集中的にコラボレーションを行ったことも、レスラーの芸術的研鑽に重要な価値をもたらした。国際的なコンサート出演暦は1973年に始まった。ソロ演奏のレパートリーは幅広く、ブラームスとヤナーチェクの全作品のほか、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、シマノフスキの作品にも特に重点を置いている。1982年には、シマノフスキ作品を取り上げたピアノ・リサイタルの功績を評した「シマノフスキ・メモリアル・メダル」をポーランドで受賞した。レスラーによる他の芸術的探求は数多くのラジオ録音に残されており、クレメンティ、ショパン、ブラームス、シマノフスキ、リヒャルト・レスラーなどの作品がある。また、シューマン、シューベルト、ブラームス、ヤナーチェクの作品を演奏したCDも録音してきた。室内楽の分野では、ベートーヴェンとブラームスの全作品を取り上げ、多数の著名ソロ演奏者と競演してきた。さらに、「ソロプラス」アンサンブルのピアニストを務めたほか、ウィーンでは「20世紀アンサンブル」とのコラボレーションも行った。レスラーは、フォルテピアノの演奏に深くかかわる一方で、ブルース、ロック、および自由な即興のスキルも持ち合わせており、驚くほどの多彩性を発揮している。音楽家としてのキャリアのほかには、ウィーン国立音楽演劇大学でピアノ科教授としても活躍。さらに、ヨーロッパとアジア各地でピアニストのための国際的なマスタークラスを教えている。アレクサンダー・レスラーは、過去何年にもわたってリヒャルト・レスラーの作品を積極的に演奏し、自身の演奏会プログラムでも何度となく取り上げてきた。1980年には、ラジオ局「自由ベルリン放送」でリヒャルト・レスラーのピアノ・ソナタ(遺作)を初演した。
カメラータ・トウキョウ
発売・販売元 提供資料(2014/02/06)