| フォーマット | DVD |
| 発売日 | 2014年03月04日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | ニッポン・ライセンス・コーポレーション、SVAC |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | HPMA-17 |
| SKU | 4907953060210 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 02:04:00
イタリア・ファシスト政府とシシリーの独立義勇軍の争いの中で起きた殺人事件の真相を、徹底したドキュメンタリータッチで追究。政府財界、警察、秘密結社マフィアの奇妙な結び付きが見え隠れする。フランチェスコ・ロージ監督のネオ・リアリズム異色問題作!

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今まさにわれわれがおるこの地点この時点が、はたして戦中なのか、戦前なのか、戦後なのか、見えるようで朦朧としてまだよう見えてこん。或る狭間に入ろうとしているところなんか、そこから抜け出ようとしているところなんか、それともまだまだ狭間のど真ん中にがっつり居てんのか、そこんとこの見極めがつきそうでつかん、のが、なんやもどかしくってね。それでけったいな呪文ばっかし唱えとるんやけど。
こういう時は舞台をがらっと変えて、物事の真相を見聞きするレッスンちゅうか猛特訓をひとつ、やってみたらええんとちゃうかな。もういっぺん、虚心な生徒に戻ったつもりで、イノセントな生徒の目と耳とを取り戻して、イノセントやない世界を見聞きしてみようや。
まあそういうわけでシチリアの映画でも観ることにしまして。
ロゴスとサブロゴスとウルトラロゴスのあわいに浮ぶ三角の島、シチリア。
ここではいとも簡単に、味方が敵になり、敵が味方になって、利害打算による離合集散があり、また、約束が反故になったり、反故が証拠書類になったり、さらには、正義と悪がころころ入れ替わったりもする。そうかと思うと、人間たちが頑固でしぶとく、なかなか言うことを聞けへん、という面もあり、とにかくきれいごとだけでは生きていけん濃厚な島。
きれいごとだけでは生きていけへんねんけど、なろうことならふだんは、わてはこないにきれいに生きてますねんで、ってつらして生きていたいのが人間であって、せやからして残念ながら存在を消されてしまう事柄やら人物やらがどうしてもでてきてしまうんやね。特に、時代や意識の変わり目においては。消す人間があれば、消される人間もあるわけで、誰それを消したろという人間もおるし、なにくそっあいつごときに消されてたまるかっ、という人間もおる。
シチリアはそういう人間の代々の、決してきれいごとではなく一見無駄骨にも見える不屈で哀切な営みを見てきたんやろうなあ。この映画で映し出されるまさに陋巷という感じの村町の年季の入った建物や自然の風体が、消されてきた者たちが置き土産のごとくいじましくも無造作に残していった人生哲理を語っている。弾丸の雨が咲かせては散らした血の赤い薔薇は大地に吸われ。