Schubert: Winterreise

21世紀の『キング・オブ・テノール』ヨナス・カウフマンのソニークラシカル移籍第2弾。リート史上に燦然と輝く最高傑作に、現代屈指のテノールが挑む。

そのダークでロマンティックかつ強靭な歌声で今や世界中から引っ張りだこのスーパースター・テノール、ヨナス・カウフマン。そのカウフマンが「ヴェルディ・アルバム」に続くソニークラシカルへの移籍第2弾として放つのは、ドイツ歌曲の最高峰ともいえるシューベルトの「冬の旅」です。

「冬の旅」は、24曲からなる連作歌曲集でシューベルト歌曲の最高傑作として人気の高い作品ですが、もともとテノールの音域のために書かれたにもかかわらず、テノール歌手が歌うことが少ないことでも知られています。カウフマンによる「冬の旅」は、作品本来の響きを堪能できるのみならず、ドイツ人ならではのドイツ語のディクションの素晴らしさによって、「言葉」が歌の情景とドラマを生き生きと蘇らせるさまと驚異的に多彩な技巧と抜群の表現力を体験することができます。

カウフマンのソロ・デビュー録音はR.シュトラウスの歌曲集であり、その意味でもオペラとの両輪でドイツ歌曲を重要視してきたことがわかります。当初から歌曲伴奏の名手で長年の共演パートナーでもあるヘルムート・ドイチュがピアノを担当 してきました。ドイチュはミュンヘン音楽演劇学校でのカウフマンの師であり、それ以来20年以上にわたって共演を続けています。シューベルト・アルバムは、デッカ時代の「美しき水車屋の娘」以来2枚目で、今回もドイチュの巧みな伴奏で、厳しく緊張感に満ちた「冬の旅」の世界を表出しています。


＜ヨナス・カウフマン＞
1969年7月10日、ミュンヘン生まれ。ミュンヘン音楽大学卒。1993年デビュー。2001年からチューリッヒ歌劇場のアンサンブルとして頭角を現す。2006年のメトでのアルフレード、コヴェント・ガーデンでのドン・ホセで世界的にブレイク。現代屈指のテノール。
ドイツ歌曲の最高峰ともいえるシューベルトの『冬の旅』は、24曲からなる連作歌曲集でシューベルト歌曲の最高傑作として人気の高い作品ですが、もともとテノールの音域のために書かれたにもかかわらず、テノール歌手が歌うことが少ないことでも知られています。カウフマンによる『冬の旅』は、作品本来の響きを堪能できるのみならず、ドイツ人ならではのドイツ語のディクションの素晴らしさによって、「言葉」が歌の情景とドラマを生き生きと蘇らせるさまと驚異的に多彩な技巧と抜群の表現力を体験することができます。カウフマンはソロ・デビュー録音のR.シュトラウス歌曲集以来、ヘルムート・ドイチュとドイツ歌曲の演奏にも力を入れてきました。シューベルト・アルバムは、デッカ時代の『美しき水車屋の娘』以来2枚目で、今回もドイッチュの巧みな伴奏で、厳しく緊張感に満ちた『冬の旅』の世界を表出しています。
ソニー・ミュージック

A superstar of opera, Jonas Kaufmann is somewhat less renowned for his interpretations of art songs, though this 2014 Sony release of Franz Schubert's Winterreise is his second disc in the genre, following his 2009 recording of Die schone Mullerin for Decca. Even though it's more recognizable in the context of his Wagner and Verdi roles, Kaufmann's fluid and strongly supported tenor voice is well-suited to Schubert's arching lines and lyrical expressions, and its warm tone and rich timbres convey a variety of moods and emotions with minimal effort and no strain. Kaufmann and his longtime accompanist Helmut Deutsch have performed this song cycle in recital many times, and this performance reflects an ease and familiarity with the material and each other's timing that seem quite natural and spontaneous. Sony's recording does justice to the vocal part and the accompaniment by evenly balancing them in the mix, rather than recessing the piano to favor the singer.