怪奇大作戦 ミステリー・ファイル

「血の玉」
深夜、アベックを赤い球体が襲い、体液が抜き取られるという事件が発生する。捜査を開始するSRIだったが、その目の前で第2の事件が発生。生存者の共通点から、何らかの菌類を使用した犯罪であると推測したSRIは、ある学者が、中国系ベンチャーの下で冬虫夏草を使った新薬を研究していた事実を突き止める。さらには、その学者の息子がNASAの技術者だったことも。細胞が急速に老化する正体不明の奇病を患った学者の孫娘を救うには、大量の新鮮な血液が必要だったのだ。やがて、子どもの血液が最も効果的である事を知った技術者は、子どもを狙い始める。

「地を這う女王」
ネットカフェで、ハッカーがわずか数時間で白骨化するという事件が発生。SRIは、犠牲者のハッキング履歴から、ある製薬会社に辿り着くが、そこはスタッフ全員が女性という奇妙な会社だった。一方、牧は、犠牲者の頭骨に残された微細な擦り傷から、犯人は無数のアリであると断定、何者かがアリを操り人間を襲わせたと推測する。早速、アリ研究の第一人者を訪ねた牧は、かつてフェロモンによってアリを操る研究をしていた女性研究者の話を聞き出すが、彼女は行方知れずになっていた。製薬会社に踏み込んだSRIは、アリの大群に襲われる。

「闇に蠢く美少女」
20年前に7歳で殺されたはずの子役タレント・山口菜々を見たという報告が相次ぐ。そして遂に犠牲者が。菜々と思われる少女に噛みつかれ、体が溶けてしまったのだ。目撃者の証言によれば、少女の顔は歪んでおり、しかも複数いたという。かつて、警視庁時代に菜々殺害事件を担当していた的矢は、当時の証拠品を再び分析する。やがて、殺害されたはずの菜々が何者かによってクローンとして甦り、体内に仕込まれた毒素によって殺人を犯していることが判明。捜査線上に、菜々の3歳年上の兄と、学会を追われたクローンの第一人者が浮上する。

「深淵を覗く者」
雨上がりの橋の上で女性が袈裟懸けに切られて死亡、警察は鋭利な刃物による殺人と断定する。だが、調査依頼を受けたSRIは、凶器は人工的に作られたつむじ風と推理。やがて第2の事件が発生するが、今度は被害者の全身のタンパク質が凝固していた。強力なマイクロ波を使った殺人と推理する牧。そして第3の事件。今度は太陽光を一点に集めて焼き殺したらしい。だが、2転3転する推理を不審に思った警察は、目撃証言を決め手に牧を拘束してしまう。犯罪者と自分とは一体どこが違うのか? 悩む牧は、やがて、膨大な現場写真の中から、ある一人の男に注目する。