伊福部昭の愛弟子、小杉太一郎の純音楽集成
映画『ゴジラ』の音楽等で著名な作曲家伊福部昭。その門下生の中でも取り分け師から多大な信頼を受け、また、自身も東映アニメ『サイボーグ009』(1966-68)、内田吐夢監督東映『宮本武蔵』シリーズ、日活『ギターを持った渡り鳥』シリーズなど、300本以上の映画音楽を手がけた作曲家小杉太一郎。これまでその仕事はもっぱら映画音楽のみが知られてきましたが、2007年、小杉宅より生前に書かれた演奏会用純音楽作品の楽譜が複数発見されました。これを契機に発見作品を一作品ずつ録音し、最終的に作品集を完成させるべく立案されたのが本CD企画「小杉太一郎の純音楽」です。不完全な状態で発見された楽譜の校訂作業、演奏家との交渉、発見作品の作曲経緯調査など、制作に6年の歳月を費やし、発見楽譜を含む4作品をスタジオにて録音。併せてその後の調査で発見に至った作曲者自らの指揮による舞踊組曲「戰國時代」初演テープに最新デジタル・リマスタリングを施し、初収録を実現しました。初演からちょうど60年を経て行われた「六つの管楽器の為のコンチェルト」(第21回毎日音楽コンクール〔現・日本音楽コンクール〕作曲室内楽部門第1位入賞作品)蘇演、市川崑監督作品「犬神家の一族」(1976年/東宝)の劇中でも使用された箏曲「双輪」を委嘱初演者の演奏により完全収録するなど全作品初CD化。各収録作品の楽器編成も2台ピアノからオーケストラまで極めてバラエティーに富んでいます。演奏は、東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者陣(2012年3月時点)、高木和弘(現・山形交響楽団ソロ・コンサートマスター)など錚々たる音楽家が本企画に賛同・参加しており、作品に真摯に向き合った素晴らしい演奏を提供しています。49歳という若さで早世した作曲家の、その知られざる生涯を解き明かすべく、CD制作と並行して行われた取材・検証を纏めた102ページブックレットを封入。作曲家:小杉太一郎、唯一無二の純音楽集成です。

＜小杉太一郎(1927～1976)＞
映画俳優小杉勇の長男として宮城県牡鹿郡石巻町(現・同県石巻市)に生まれる。東京音楽学校(現・東京藝術大学)において映画『ゴジラ』の音楽で知られる作曲家伊福部昭に師事。これまで東映アニメ『サイボーグ009』(1966-68)、内田吐夢監督東映『宮本武蔵』シリーズ(2作目以降)、日活『ギターを持った渡り鳥』など、映画をはじめとする劇伴音楽300本以上を手がける。

発売・販売元 提供資料 （2013/10/25）