生誕70年記念盤。正統的解釈による真摯なアプローチは圧巻!グードのシューベルト録音を集成。
オリジナル・アルバム4枚分のグードによるシューベルト作品を3枚に集成。グードが30代半ばに録音したソナタ第20番&21番他はノンサッチへの初期の録音(1978年)のひとつであり、この後、記念碑的な録音の数々を同レーベルと行ってゆく、まさに礎となった盤。その後1983年にソナタ第19番を録音し後期ピアノ・ソナタ集を完成させ、暫くして1990年にソナタ第16番&17番を収録しました。グードの偉業のひとつとしてモーツァルトやベートーヴェンの数々の演奏が上げられますが、このシューベルトも彼が折に触れて慈しんできた作品群のひとつです。
リチャード・グードは1943年にアメリカ合衆国に生まれ、カーティス音楽院でルドルフ・ゼルキン、ホルショフスキらに師事。いくつかのコンクールで入賞した後、世界的に演奏活動を行い、エレクトラ・ノンサッチ・レーベルを中心に多くの録音を残してきました。来日は遅く、ようやく1992年になってシューベルトを中心としたプログラムを披露し、日本の聴衆にも多くの感銘を与えました。グードの楽曲へ取り組む真摯な姿は、聴き手や多くの音楽家にさえも豊富な啓示を与え続けています。今のところグードはこれ以外のシューベルト作品を録音していませんが、これらの演奏は現在聴くことができる最上のシューベルト演奏のひとつであることは疑う余地がありません。

タワーレコード （2013/08/21）