イタリア
○プロチダ【語り】牧瀬里穂
―境目があいまいな、パステルカラーの街を歩く―
訪れたのはナポリ湾の小さな島、プロチダ。おもちゃ箱の中身をひっくり返したようにパステルカラーの建物が並ぶ、かわいらしい港街です。北の港では海に面した色とりどりの建物が出迎えてくれました。まっすぐな道にぎっしりと並んで、まるで1枚の壁のよう。南の港、コッリチェッラへも足を延ばしました。こちらも、ピンク、水色、レモン色の家々が斜面に積み重なり、家と家、どこが誰の階段でどこが家なのか、聞いてもよく分かりません。境目があいまいでおおらかな島を、愉快な人々と出会いながらの街歩き。

○シチリア島シラクーサ【語り】林隆三
―古代ギリシャの栄華を味わう―
シチリア本島から橋を渡り、旧市街のあるオルティージャ島を歩き始めました。にぎやかな市場を抜けて見つけたのが、古代ギリシャの遺跡、アポロ神殿。さらに紀元前5世紀の神殿を改築した大聖堂など、ギリシャ時代の栄華を偲(しの)ばせる遺産が出迎えてくれます。路上では演劇学校の生徒たちのギリシャ悲劇の特訓中。そして角を曲がると、風変わりな楽器を弾くアーティストが。聞けば、そのベース、自分で発明したんだそう。シラクーサでは人々の営みの中にも古代ギリシャの面影を見つけることができる街歩き。