インディ・シーンで注目を集めるギリシャのドリーム・ポップ男女デュオ、キープ・シェリー・イン・アテネが満を持して放つファースト・フル・アルバム。ベース・ミュージックを通過した感のあるボトムと、ディスコ的な躍動感、シンセの浮遊感と揺らぎを生かしたノスタルジックなメロディ。そこにSARAの柔軟で弾力のあるヴォーカルが溶け込む心地よくヴァレアリックな一枚。 (C)RS
JMD(2013/08/14)
ギリシャの注目の男女デュオKEEP SHELLY IN ATHENSの待望のファースト・フルが遂に完成。本作『AT HOME』は、緻密でシンプルなレイヤーとテクスチャーながら、これまで培って来たものの集大成とも言える作品に仕上がっている。ベース・ミュージックを通過した感のあるボトムと、ディスコ的な躍動感、シンセの浮遊感とゆらぎを生かしつつ、ノスタルジックなメロディが漂い、SARAの柔軟で弾力のあるヴォーカルが溶け込んでいくサウンドは、心地よくヴァレアリック! 冒頭から重層的なシンセのフレーズとエフェクトに、ピッチ・コントロールでスクリューさせたヴォーカルをアクセントとして鏤めた幻惑的でドラマティックなトラックで幕を明け、懐かしくも温かなムードが漂うリヴァービーなシンセとメロディが印象的な「OOSTENDE」へ。そして先行シングルとしてリリースされた「RECOLLECTION」では小気味よいブレイクビーツとヴォーカル・ループを核に、煌びやかなシンセを浮遊させ、SARAの滑らかなヴォーカルを溶け込ませていくポップ・ソングを展開。反復ビートとシンセと、後半にはヴォコーダー・ヴォーカルを駆使した「FLYAWAY」、トリップホップ的なムードも感じさせるミステリアスな「HIGHER」を経て、こちらも先行でシングル・リリースされた「MADMEN LOVE」へ。ダブステップ的ビートに乗って展開しつつ、ギターの音色も介入する後半のクライマックス感に引き込まれる。その後もSARAのヴォーカルを核にリリカルなシンセのフレーズの浮遊感を生かし、多彩なビートを絡めたヴァリエーション豊かなサウンドが繰り広げられる。『OUR OWN DREAM』に収録されていた「DIY」が再収録され、SARAのエフェクティヴなヴォイスのシャウトも切り込むドライヴィンなサウンドもあり、極めて刺激的な内容に仕上がっている。
発売・販売元 提供資料(2013/08/13)
〈チルウェイヴ世代のセイント・エティエンヌ〉なんて評されるギリシャの2人組が初のフル・アルバムを発表した。ジュークとも共振する硬質なボトム(彼らは一時プラネット・ミューから作品を出していたことも!)と、清涼感のあるシンセや神秘的な女声(時折それをスクリューさせるのも◎)といった柔らかいウワ音の対比が芸術的。グライムス、ナイト・ジュエルらインディー・シンセ勢でも美意識の高さはダントツか!?
bounce (C)武田晃
タワーレコード(vol.359(2013年9月25日発行号)掲載)