ダニー・ボイル監督の映画『トランス』(2013年10月公開)のオリジナル・サウンドトラック。音楽は、事実上のソロ第1作となるアンダーワールドのリック・スミスが担当。 (C)RS
JMD(2013/08/20)
クラブ&エレクトロ・スコアの次展開を摸索する
"TRANCE"(2013)
サウンドトラック
音楽 リック・スミス(アンダーワールド)
監督 ダニー・ボイル
出演 ジェームズ・マカヴォイ、ロザリオ・ドーソン、ヴァンサン・カッセル
絵画競売人はギャングとともに名画を盗み、裏切りかつ記憶を失うが、ギャングは催眠術師を雇い・・・『127時間』以来3年ぶりとなるダニー・ボイルの作品は、初期作品で組み続けていた脚本家ジョン・ホッジとの久々のタッグ。そして、ボイル初の本格的犯罪映画といえよう。さて、ダニー・ボイル監督、アンダーワールドのリック・スミス音楽の作品のサントラだが、まずは、スタンダードをゆったり聴かせてスタートし、リック・スミスのサウンドはゆるやかでミニマル的に展開する甘いエレクトロを中心に展開し、ラスト近くで、激しいリズムを炸裂させる。エンドレスに繰り返すような心地よいグルーヴに、エメリ・サンドのソウルフルな歌声が乗る、中盤のハイライト大曲「ヒア・イット・カムズ」は圧巻。カースティ・マッギー、モービー、アンクル、Mピープルのナンバーも収録し、今風サントラの華やかさも保つ。。クラブ・ミュージック視点のサウンドというより、まさしく新世代イギリス映画を牽引する名匠と、彼の世界を知り尽くすアーティストによる貫禄かつ次に見える風景を探す、尖っているが落ち着いてもいる彼らならではの仕事である。 (C)馬場敏裕
タワーレコード